時代遅れの新聞読みブログ

前期高齢者が新聞(紙、電子)・ネットのニュースをフォローします。

小林製薬はいつ「プベルル酸」を検出したか 対応は株主総会軸に決定?


小林製薬の紅麴(こうじ)原料を使ったサプリメントが原因とみられる腎臓障害が多発している問題では、同社の対応の遅れが批判されている。


小林製薬は、3月25日に青カビ由来の毒性が強い物質「プベルル酸」を検出していながら、29日の記者会見でも途中までは、「(原因は)未知の成分で、まだ特定できていない」との説明をしていた。


小林製薬の検査、検証についての能力不足かもしれないが、もうひとつ、3月28日の株主総会―増配を決めたーを大過なく切り抜けたいとの思惑がからんでいたのではないか。


小林章浩社長=大株主でもある=ら同社幹部が顔をそろえた、29日の記者会見は4時間以上に及んだ。その会見でも途中まで、「プベルル酸」についてはまったく話に出ていない。記者の方はその時点で、「プベルル酸」を知らないから、質問のしようがないのだが、小林製薬側が口をつぐんでいたのは解せないこととである。


それが変わったのは、同じ29日に開かれていた厚労省の記者会見で、小林製薬が28日、同省に対して、未知の物質は「プベルル酸の可能性が高い」と報告していたことが明らかになったからだ。


厚労省担当の記者から、大阪で会見中の記者に「プベルル酸」検出について連絡が入り、急きょ、小林製薬側に質問し、小林製薬側もようやく「プベルル酸」の検出を認めたというのが真相のようだ。


プベルル酸は青カビがつくる天然の化合物で、毒性が非常につよく、ウィキペディによると、マウスに体重1キロあたり5 mgを2回皮下投与したところ、5匹中4匹のマウスが3日目までに死んだという研究報告がある。


同社は金曜日の25日深夜にプベルル酸の可能性があるという判断に至ったという。25日は金曜日で、26日(土)、27日(日)をまたいで、厚労省への報告が28日(月)になったということで説明がつく。


25日の深夜に判明したので、28日の株主総会には間に合わなかったという釈明も成り立つ。株主に説明しないことを、記者に説明しては「株主軽視になる」と考えたのだろう。


下衆の勘繰りだが、「25日の深夜」もあやしい。株主総会から逆算した日時で、小林製薬はもっとはやい段階で、「プベルル酸」の可能性をわかっていたのではないか。厚労省は小林製薬の製造部門、検査、研究組織に立入検査をして、どういう対応をしていたか調べるべきだ。

×

非ログインユーザーとして返信する