時代遅れの新聞読みブログ

前期高齢者が新聞(紙、電子)・ネットのニュースをフォローします。

日銀黒田総裁 2%インフレも緩和継続を表明 円安抑える「利上げ」は景気に悪影響

(黒田日本銀行総裁)


黒田東彦・日本銀行総裁は21日の金融政策決定後の記者会見で、いまの金融緩和を継続することで「賃金の上昇を伴う形で物価安定の目標を実現することは可能」だと述べ、金融緩和を継続する考えを改めて示した。


同日、日銀が発表した経済・物価情勢の展望では、2022年度の消費者物価(生鮮食品除く)は前年度比2.3%上昇(従来は1.9%上昇)に上方修正した


一方、財務省が21日発表した2022年上半期(1~6月)の貿易統計(速報、通関ベース)によると、輸出から輸入を差し引いた貿易収支は7兆9241億円の赤字だった。赤字額は比較可能な1979年以降(暦年半期ベース)で最大。21年下半期(7~12月)に続く2期連続の赤字となった。


黒田氏は円安は総じて日本経済にプラスといっていたが、貿易収支でみると円安によるプラス効果は出ていない。


ウクライナ危機を背景とする原油高や円安進行で輸入額が膨らんだ4月、5月の消費者物価はエネルギー価格の高騰と円安による輸入物価の上昇で、日銀が目標としていたインフレ率2%超の上昇となった。


黒田総裁は円安について日米の金利差が「為替に影響しているのは事実」と認める一方で、
円安対策として、緩和政策を修正する意向については、「金利を少し上げても円安が止まるとは考えられず、円安を止めるためには大幅な利上げが必要になり、経済に大きく影響する」との考えを示した。


日銀の金利政策は短期金利をマイナス0.1%とし、長期金利を0%程度(上限は0.25%)とする、前例のない緩和策が長期化している。


異次元の金融緩和は安倍晋三氏がすすめた経済政策「アベノミクス」の柱のひとつだった。安倍氏は生前、「日銀は政府の子会社」であり、日銀が政府の財政出動を支え、低金利維持のため国債を買い入れしても問題はないと主張していた。


黒田総裁は、安倍氏の死去と低金利政策継続の関連について、「日本銀行としては、自らの使命である物価安定の目標の持続的・安定的な形での実現を目指し、金融政策を実施していく考えに変わりはない」と述べた。


日本銀行は国債の買い入れはできるが、金利上昇につながる日銀保有の国債の「売り」はできない状況にある。日銀の頼みの綱は大方の国民がどの程度、インフレに耐えられるかにあると思われる。

×

非ログインユーザーとして返信する