日銀総裁に経済学者 植田氏を指名へ 限界迎えた「異次元和」修正が課題
東京日本橋の日本銀行本店 上からみると円の字になっている。
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日経新聞などによると、岸田首相は今年4月で任期が終わる黒田東彦日銀総裁の後任に、経済学者で日銀・元審議委員の植田和男氏を起用することを決めた。
筆者なりに植田氏を選んだ理由を考えるに、ひとつは植田氏が学者であり、日銀出身でも財務省出身でもないということだ。
日本銀行総裁は、財務省OBと日銀生え抜きの副総裁(またはOB)が交互につくことが慣例になっており、財務省出身のOBは黒田氏の次は雨宮正佳副総裁との見方が強まっていた。
(前のブログで書いたことだが、日経新聞は電子版で「政府は雨宮氏に総裁就任を打診した」と報じた。 おそらく、11日に日経は雨宮氏が固辞したワケという記事が出るだろう。 )
安部晋三元首相は、生前、日銀が国債を借り替えれば国債を増発しても、なんの問題はないと語っていた。 実際のところは、昨年12月に日銀は長期金利の上限を0.25%から0.5%に引き上げたが、引き上げないと国債の消化、つまりは借り換えができないところにまで追い込まれていたのだ。
自民党安倍派には、防衛費増の財源として国債増発論が根強くあるが、財政ファイナンスは限界にきている。 政治的な色がついておらず、理論的な裏付けをもって金融政策を進められる人という観点で、植田氏に落ち着いたということだろう。