時代遅れの新聞読みブログ

前期高齢者が新聞(紙、電子)・ネットのニュースをフォローします。

日銀の短期マイナス金利解除報道で なぜ長期金利が上がるのか

日本銀行本店
+++++++
12日の東京債券市場は、長期金利の指標となる新発10年物国債の利回りが11日に続いて、0・7%台前半の取引が続いた。前週は0.65%強の水準で推移していた。読売新聞が9日朝刊1面で掲載した、「日銀は(物価、賃上げの状況次第で)マイナス金利解除を『選択肢』として検討している」との趣旨の記事に、市場が反応したようだ。


日銀は現在短期金利(1年もの国債金利)をマイナス0.1%としているが、2年以上の国債金利はプラスになっており、長期金利(10年もの国債金利)については上限を1.0%とする金融政策(国債市場の操作)をしている。
(長期金利が上がったといっても、まだ0.3%程度の余裕がある。)


読売新聞の記事は、日銀がおこなっている「長短金利操作」のうち、マイナスの短期金利について言及したものだが、長期金利に上昇圧力となった可能性がある。


あらためて書くことでもないが、日本銀行以外の先進国中央銀行は、短期金利を政策金利としている。日本銀行は黒田東彦前総裁の時代から、10年もの国債つまり長期金利を政策金利として、ゼロ近傍に目標金利をおいていた。これが異次元の金融緩和である。


足元のインフレ率が2.8%(8月、東京都区部)というのに、政策金利がマイナス0.1%というのは教科書的にいうとありえないことだ。いまの長期金利0.7%が足元のインフレ率に見合っているかどうかは神のみぞ知るである。


日銀は、政策金利をゼロに戻し、中央銀行がインフレを制御できる、「正常化」の過程をめざしている(と思われる)。


ところが政界と経済界の一部は長年の超低金利になれきってしまい、マイナス0.1%の短期金利をやめることを「利上げ」あるいは、「金融引き締め」と受け止めかねない向きがある。


植田和男前総裁が読売新聞の単独インタビューに応じた意図は不明だが、9月21日、22日の金融政策決定会合後の記者会見は読売新聞以外の質問攻めにあうだろう。

×

非ログインユーザーとして返信する