数列3^(2^n )を使ってABC予想について考える 「IUT理論はABC予想を証明したか」の続きその3
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この記事は、12月25日付けブログ 「議論は続く 宇宙際タイヒミュラー(IUT)理論は、ABC予想を証明したか」の続編その3です。8日に数列の表示が乱れているのを手直しするとともに、rad(abc)^(1+k)とするところを(1+k)が抜けていたので、修正しました。
議論は続く IUT理論は「ABC予想」を証明したか 100万ドルの賞金提供も - 時代遅れの新聞読みブログ
その②は筆者が年末モードに入ったため、中途半端なところで終わっています。読んだ方は何を言いたいのかと思ったでしょう。失礼いたしました。
前置きはこのくらいにして、その②と同様に、a=1 b=3^(2^n )-1 a+b=c=3^(2^n )として検討をすすめます。
(3^(2^n )は 「3の2のn乗・乗」です。べき乗の表示についてはカット画像を参考にしてください。3の2n乗ではないので注意してください。)
改めて、ウィキペディアのABC予想の数式を示します。ウイキペディアで イプシロン ε とあるのは、本稿では k に置き換えています。
rad(abc)^(1+k)で、とりあえずk=ゼロとして cとrad(abc) の大きさを比較する。
c rad(abc)
n=1 9 > 6
n=2 81 > 30
n=3 6561 > 1230
n=4 43046721 > 4035630
n=5 18532020188851841 > 86860321352430
cの桁数が rad(abc)より次第に大きくなって、ABC予想を反証するabcの組が無限にあるように思える。もちろんそのようなことはない。とりあえずk=0と置いたことを忘れてはいけない。
kは任意の値を取ることができる。不等号の向きが逆転するkの値を調べてみた。小数点以下4ケタ目を切り上げている。
不等号の向きが逆転するkの値
n=1 0.227
n=2 0.293
n=3 0.236
n=4 0.156
n=5 0.096
n=1~5までをとるとき、 rad(abc)^(1+k)>3^(2^n ) となるkを関数電卓を使って求めた。(a>bのときLOG a>LOGbという高校数学の知識でkが求められる。)
ABC予想についての最初のブログ「宇宙際タイヒミュラー(IUT)理論は、ABC予想を証明したか」に、書いたようにkをある程度大きく取れば、c< rad(abc)と不等号は逆向きになるのである。
nが大きくなるにつれ、kを0よりほんの少し大きくするだけで不等号の向きが逆転することが期待できるのではないか。そうすると、ABC予想を満たす(a,b,c)の組は高々有限個しかない、という予想は正しいのではないかと、素人のアタマには思える。
ただし、この数列に限っても、kが無限に小さくなったとき rad(abc)^(1+k)>3^(2^n )となることの証明は・・・・、筆者の能力を超えて、はるか彼方にある。
ABC予想には弱いABC予想と強いABC予想がある。ここまで書いたのは弱いABC予想である。IUT理論は、①いずれのABC予想も証明していない②弱いABC予想は証明したが、強いABC予想は証明していない③いずれのABC予想も証明した、という議論があるようだ。
筆者の勉強(再学習?)が進めば、強いABC予想と弱いABC予想の違いについて書きたいと思っている。
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rad(abc)は a*b*c=b*cを素因数分解して計算します。素因数分解サイトに数を入れれば計算してくれます。
素因数分解 - 高精度計算サイト
本稿はabc予想の主張を理解する - YouTube ヨビノリYOU TUBE 、
ABC予想のよくある間違い - tsujimotterのノートブック
を参考にしました。ありがとうございます。