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自国通貨をㇰ◯と呼ぶ次期アルゼンチン大頭領 150%インフレ収束に中央銀行廃止、ドル移行を公約

YOU TUBE テレ東BIZ “アルゼンチンのトランプ”勝利 大統領選【WBS】(2023年11月20日) - YouTube
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150%のインフレに襲われているアルゼンチンで、自由経済至上主義を主張する同国の下院議員、ハビエル・ミレイ氏が大統領選に勝利した。12月10日に就任する。


ミレイ氏は経済立て直しのために、アルゼンチンの通貨ペソを米ドルに切り替え、中央銀行を廃止するという、ほかの国の中央銀行総裁が聞いたら気絶するような政策を実行すると言っている。


報道によると、アルゼンチン国内では、すでに手持ちのペソを、銀行の交換レートより割安なレートでドルに交換する人が増えている。だれも(民間銀行でさえ)ペソを受け取らなくなりインフレが高進、悪くすると短期間で物価が何十倍になるハイパーインフレに陥るおそれがある。


アルゼンチン政府は、従来、低所得層に配慮して、ガソリンなど燃料、バス料金、電気料金を補助金を出すことで低く抑えてきた。


ミレイ氏は財政赤字を減らすため、公共事業の大幅縮小や補助金廃止を公約に掲げ、これら補助金の削減も明確にしている。


ミレイ氏の対抗候補、中道左派の現・経済相のセルヒオ・マッサ氏は、敗れたとはいえ、44%の得票を集めた。ミレイ氏の政策が低所得者に打撃を与えれば、労働者のストや大規模な街頭活動が起きる可能性もある。


ミレイ氏は財政支出をばっさり切り落とす、そのシンボルとして、大統領選の集会でチェーンソーを掲げて喝采を集めた。外国通信社が伝えるところでは、アルゼンチンペソをク◯=「排泄物」と呼んではばからず、その率直な(というより下品な)もの言いでアルゼンチンのトランプともいわれた。(トランプ氏はミレイ氏の勝利に歓迎の意を表明したそうだ。)


アルゼンチンは、国による債務不履行=デフォルトがもっとも多く起きた国と言われている。その結果、アルゼンチン政府・中央銀行は、国際通貨基金(IMF)に440億ドルの債務=借金を負っている。


ミレイ大統領はこの債務を棚上げして(それにも交渉が必要だ)、ペソをドルに置き換えるためにドル資金を借り入れる必要がある。しかし、そのときにアルゼンチンの中央銀行がなければ、IMFはどこに貸せばいいか戸惑うことだろう。


アルゼンチンは今世紀早々の2001年に、今までに最後のデフォルト宣言をしている。景気悪化から貿易赤字と財政赤字に陥り、対外債務が返せなくなったためだ。


アルゼンチンの主要産業は農業、畜産とそれを加工する食料、食肉業、鉱業など。エネルギー自給率も80%以上と高い。これに対して弱いのが工業部門で、工業用資材や産業機械や石油化学製品は輸入依存率が高い。


何度もデフォルトを繰り返しているので、当たり前のことながらアルゼンチンの外貨準備(ドル資金)は乏しい。政府、大企業が、工業用資材や産業用機械を輸入するには、ドル資金が必要で、ドルを米国の投資銀行などから借りなければならない。


そこに、運悪く天候不順に見舞われ穀物が不作になると、国内景気は悪化して税収も落ち込む。借金も返せなくなって「デフォルト」に至るパターンだ。(いうまでもないが、話を単純化している)。



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このブログは下記の記事を参考にしました。
アルゼンチン大統領選、ミレイ氏勝利-143%インフレに強い怒り - Bloomberg


アルゼンチン大統領選は決選投票へ、与党候補が予想外の首位に(アルゼンチン) | ビジネス短信 ―ジェトロの海外ニュース - ジェトロ

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