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ベネズエラ 隣国ガイアナの領土に「野心」国民投票で賛成多数 マドゥロ大統領の挑発か本気か

YOU YUBE TBS NEWS DIG 南米のベネズエラ政府 隣国ガイアナ領土の一部領有権めぐり国民投票実施 賛成多数と発表|TBS NEWS DIG - YouTube
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南米のベネズエラ政府は3日、国境を接するガイアナのエセキボ地域(ガイアナの面積の6割を占める)をベネズエラが領有することに賛成かどうかを問う、国民投票を一方的に行い、賛成多数を得たと発表した。


ベネズエラは豊富な石油埋蔵量を誇り、一時は世界の10指に入る産油国となったが、米国系石油開発会社の撤退や、石油精製会社の事業縮小で、石油生産量は減少した。それでも、放漫財政を続けたため、経済が破綻し、数千%という激しいインフレに見舞われている。


3,000万人を超えていた人口のうち300万人が難民として、隣国コロンビアやペルー、エクアドル、ブラジルに逃れている。遺憾ながら、いわゆる失敗国家(failed state)のひとつに数えられている。


ガイアナ沖では、2015年に石油が見つかり、米石油資本による開発が進んでいる。ベネズエラはそれ以降、領土権の主張を強めていた、という。


ベネズエラは来年、大統領選挙を控えている。国民投票は大統領選挙をにらんだ、マドゥロ大統領が国民的な支持を得ていると「みせるため」の作戦のひとつだろう。


エキセボ領有への賛成は選管発表によると97%だというが、同国の選管はマドウロ氏の言いなりで、大統領選挙のときもマドウロ氏の票を水増ししたとの疑惑がある。


今回の国民投票でも、「投票所に人がいなかった」などという市民の声が紹介されている。97%の賛成もかなり割り引いて考える必要があるだろう。(そもそも、国民の大多数が賛成したからといって、他国の領土を編入できるわけでもない。)


一方、報道によると、ガイアナのアリ大統領は「ガイアナ国民に今後、数時間、数日、数カ月にわたって恐れることは何もないと保証したい」とテレビで国民に対して述べた。ベネズエラに対しては)「成熟と責任」を示すよう訴えた。


ベネズエラは反米姿勢で知られるが、ロシア、中国はマドウロ政権に支持を表明している。いまのところ、ベネズエラの領土獲得の野心が示された段階だが、実際に両国の軍事的な緊張に発展した場合、ロシアと中国がどういう姿勢をみせるか注目される。


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ベネズエラの石油資源はオリノコタールと呼ばれる超重質油が多く、ガソリンに近い品質の超軽質油に溶かし出して、生産する。


石油を採掘するためのガソリンが必要で、実際にイランや中国から輸入している。ガソリンが精製に優先的に回されるため、国内ではしばしばガソリン不足が起こる。

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