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エリトリアが「アフリカの北朝鮮」といわれる理由 ウクライナ人道支援決議も否決

(エリトリアの地図は外務省ホームページから)


ウクライナ危機をめぐる国連総会・緊急特別会合は、24日人道支援強化を訴える決議案を賛成140、反対5、棄権38の賛成多数で採択した。


否決に回った5カ国はロシア、ベラルーシ、シリア、北朝鮮、エリトリアだ。


この5カ国は3月2日の国連総会・緊急特別会合、「ロシア軍がウクライナから完全撤退することなどを要求する決議案」でも否決に回った。(このときは141カ国の賛成多数で採択)


エリトリアはアフリカの紅海に面する国。外務省公式サイトのデータによると、人口は550万人(2017年)、面積は11.76万平方キロで、北海道と九州とを合わせた広さとほぼ同じ。


紀元前後からの古い歴史を持つが、近現代に入っては、オスマントルコ帝国に支配された時期を経て1890年にイタリアの植民地になった。1962年にエチオピアの1州に併合されたが、エリトリアの分離・独立を目ざす解放運動(武力闘争)が起きた。


以来、独立派の中で内部抗争もあったが、最終的には中国で軍事訓練を受けた、イサイアス書記長が率いる「エリトリア人民解放戦線」が、1993年に独立を果たす。
イサイアス書記長は大統領になり、国連にも加盟した。


独立以来、イサイアス大統領が実質的に支配する「民主主義と正義のための人民戦線」による長期一党独裁体制が続いている。(イデオロギー的には共産主義、毛沢東主義とされる)


強権政治の一方、経済的には困窮しており、「就業人口の多くが生産性の低い農業と牧畜に就く一方、食料の7割を輸入と援助に頼っている」という。(外務省ホームページ、エリトリアの経済の概況による)


国連や国際NGOなどから深刻な人権侵害・圧政が報告されており、国際NGOあたりから「アフリカの北朝鮮」と指弾されたようだ。


エリトリアの主要援助国は中国と思われる。紅海に1350キロメートルの海岸線を持つエリトリアは、中国の「一帯一路プロジェクト」・「海のルート」で戦略的に重要だからだ。隣国のジブチには2017年に初の海外基地を設けている。


エリトリアは独立以来(それ以前も?)、中国から支援を受けており、国連決議で否決にまわったのは中国との関係を重視した結果と思われる。


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ウィキペディアによると


エリトリアは独立以来、マルクス主義、共産主義をとっている。野党、独立した報道機関が存在しない一党独裁国家であり、一般国民は18歳になると政府支配下の農民か兵士を含む低賃金又は無賃労働の奴隷的公務員となることが55歳まで義務付けられている。これを嫌い、国外に出ようとする人も絶えない。1992年に基本的人権や複数政党制を定めた民主的憲法を制定されたが、未だに施行されていない。


周辺諸国との紛争や兵役、抑圧的な政治体制により大量の国民が国外に脱出して国際的な難民問題になっている。


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エリトリア大使館のホームページをみると、ひとことでいうと「魅力あるエリトリアに観光に来て下さい」という観光案内が多い。外貨獲得のため観光に力を入れているようだ。
「アフリカの北朝鮮」というイメージではない。

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