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再エネ発電 「出力制御」しないと大停電はホントか? 太陽光は日中だけ雨ダメ、風力は風まかせの難点


9日に四国電旅客グループ管内で、太陽光発電、風力発電の再生可能エネルギー事業者に発電の一時停止を求める「出力制御」を行ったが、続く10日にも東北電力管内で「出力制御」があった。


4月から5月にかけて、好天で太陽光発電の発電量が増える一方、企業が休みとなる土曜、日曜(祝日)には、供給が需要を上回ることがあり、九州電力ではこれまでも再生エネルギー事業者の「出力制御」をしていた。


全国的に太陽光発電施設が増え、また発電性能の向上もあいまって、「出力制御」が広がっているようにみえる。(電源不足の東京電力管内ではさすがに起きていない)


新聞などでは「出力制御」をしないと需給のバランスがくずれ、「大停電を引き起こすおそれがある」と説明している。以下、大停電説についての筆者の私見である。


需要と供給の不一致で大停電が起きた例では、2018年9月6日に発生した北海道胆振地方東部地震後の北海道全域での大停電がある。


発端は、北海道でもっとも大きな発電所である「苫東厚真火力発電所(2号機・4号機)」が、機器の一部が壊れ停止したこと。


使われている電力に対して、供給が不足すると、電気(交流)の周波数(北海道は50ヘルツ)が下がるため、これを維持しようとして、ほかの発電機に無理(負荷)がかかり、家庭でいえば「サーキットブレーカー」が働く。発電所は次々に止まってしまう。


(負荷が増えるとは自転車で坂道を登るとペダルが重くなることに例えられる。つまり回転数が落ちる。)


北海道大停電では、「風力発電所の停止」、「水力発電所の停止」、「苫東厚真火力発電所(1号機)の停止」が立て続けに起きて、「広域大停電(ブラックアウト)」に到った。


逆に、供給超過のときはどうなるか。一例は、地震で大きな送電線が切れたが、発電所が無事の場合だ。


いきなり需要(負荷)がなくなり、発電機の回転が猛烈に上がり発電タービンが破損するかもしれない。


そのような事故が起きないように、発電機を手順を踏んで止め、停電を一部地域に止めることになる。(一部にとどまらなければブラックアウトになるだろう)


地震の時のような予測の難しい事で、需給のアンバランスが生じるのは理解できる。


しかし、太陽光発電や再生エネルギーの「電力制御」をしなければ、本当に大停電が起きてしまうのだろうか。筆者は大停電を防ぐためというのは、言いすぎだと考えている。


簡単にいうと、需要超過のときに再生エネルギーの停止を求めるのは、つまるところ天気まかせ、風まかせの太陽光発電、風力発電の制御の難しさがあるからだ。


とくに太陽光発電はあたりまえだが、日中しか発電できない。曇りや雨の日は発電量はがっくり落ちてしまうが、そのときは大手電力が火力発電、水力発電で用意しておく必要がある。


電力会社が出力制御を要請する際は、①揚水発電の揚水を最大限おこなう②管外への送電をできるだけ行う③自社火力発電を抑制するーーことが前提となる。


それでもなお供給過剰になる場合、出力制御を要請するとしている。


ここをきちんと説明しないと、再生エネルギーを止める前に、「二酸化炭素ガスを出す化石エネルギーを使う火力発電を止めろ」とか言い出す人がでてくるのではないか。


(原発が稼動している九州だと、まず原発を止めろと言う人がいると思われる。)


太陽光発電でつくる電気は、直流電気でこれを交流の送電網に送るには、いったん交流に変換する必要がある。


コスト的に太陽光発電(風力発電)より火力発電の方が安い現状では、太陽光発電の出力制御もやむをえないと考えるが、将来的には、直流でそのまま大容量電池を充電し、必要な時に交流に変換して売ることが望まれる。



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風力発電機は風車でじかに交流発電機を回す。回転数は風任せなので周波数も一定とはいかない。いったん、直流にしてまた一定周波数(西日本は60ヘルツ、東日本は50ヘルツ)にして送電している。


欧州のように大規模に導入するには、風力発電も大型蓄電池とセットで造ることになると思われる。

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