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財務省・金融庁・日銀が円安に「憂慮」 黒田・異次元金融緩和の変更も?

(上はTRADING VIEWよりドル円為替相場の推移)


財務省と金融庁、日銀は10日、幹部による情報交換会合(三者会合)を財務省内で開き、為替市場の動向などについて意見交換した。


急速な円安の進行に「憂慮」を示すとともに、必要があれば為替市場への介入をすることを示唆している。


足もとの米ドル為替市場を動かしているのは、おもに日米の金利差だ。黒田東彦日銀総裁は「経済を下支えするため現状の金融緩和は粘り強く続ける」と主張している。


異次元の金融緩和策をとっている限り、円安傾向は止まらないとの見方もあり、この声明が、金融政策の変更につながるかどうか注目される。


9日に発表された日本銀行の企業物価調査で、5月の企業物価(速報値)が9.1%と4月に続いて高い上昇率になった。為替の円安も輸入物価上昇につながっており、3者声明となった可能性もある。


黒田総裁は先に、エネルギー高騰や円安による物価上昇について、「家計の値上げ許容度が高まっている」との認識を示し、批判が集まっていた。


黒田氏は異次元の金融緩和を、物価上昇2%を達成するまで続けると総裁就任以来、言い続けていた。物価上昇2%は外的要因で達成できたが、賃金上昇無き物価上昇に、なんの意味もないことに、低金利になれていた国民もようやく気がついたのだ。


日銀は短期金利はマイナス0.1%にし、長期金利(10年物国債金利)を0.25%にする「異次元の金融緩和政策」をとっている。長期金利でみると、米国は3%程度だ。対して、日銀は0.25%以上に金利が上がる(価格が下がる)と無制限に買入をすることを公表して実施している。


為替相場を決めるのは金利差だけではないが、足もとでは日米金利差を主要因として動いている。(金利のつかない円より金利のつくドルが選好されている)


日米金利差を圧縮するには、日本の金利を上げることが考えられるが、経済がなお回復途上の日本にとって、金融緩和の政策変更は難しいというのが黒田・日銀総裁の考えのようだ。


三者声明の後、為替相場はやや円高に振れているが、黒田・日銀が「異次元の金融緩和」を続けている限り、たいした効果はないだろう。


黒田総裁は「円安は日本経済には総じてプラス」と主張するが、三者会合声明では円安のプラス効果は顧慮されていないことも注目する必要がある。


参議院選挙までは大きな動きはないと思われるが、日銀の「異次元金融緩和」の方向転換は意外と近いように思われる。

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