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植田日銀 YCC修正に着手 株は大幅安のあと戻す 日経新聞リークは誰が何のため

金融政策決定会合後に会見する植田・日銀総裁 YOU TUBE TBS NEWS DIG 
【LIVE】日銀・植田総裁会見 “YCC修正”長期金利の上限0.5%超えを“容認” / BOJ Governor Ueda press conference (2023年7月28日) - YouTube
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日本銀行は28日の金融政策決定会合で、金融緩和策を維持する一方で、イールドカーブ・コントロール(YCC,長短金利操作)の運用について修正(柔軟化)することを委員の賛成多数で決めた。


主要な修正は、長期金利(10年もの国債金利)の上限を0.5%を維持するが、それ以上に金利が上がることを許容するというもの。


筆者は27日のブログで、株式市場の多数派は、日銀の金融政策変更はないものと「高をくくっている」と書いたが、半ば当たったようで、「柔軟化」を嫌気して、日経平均は一時、前日比800円以上下がった。


しかし、「修正」(柔軟化)の内容が明らかになるにつれて、株式市場は次第に値を戻し、前日比131円安の3万2759円で終わった。
外国為替市場も値動きは大きかったが、17時時点のドル円相場は139円台後半でほぼ前日と同水準だった。


相場の動きを見る限り、①「短期金利をマイナス0.1%とし、長期金利上限を0.5%とする」とのYCCの大枠は維持するが、②長期金利が0.5%を超えることを(ある程度は)許容する、という修正策について、市場は混乱なしに受け入れられたとみるべきだろう。


植田総裁は「0.5%をどの程度超えることを許すのか」という点について、「長期金利が(すぐに)1%程度に上がることは考えていないが、上限キャップは1%と考えている」と述べた。すぐに1%になることは想定していないようだ。
(28日の長期金利は前日比ほぼ0.1%高い0.55%となった。)


今回の「修正」で植田総裁がねらうのは、「金利は市場が決める」という、当たり前の状況に戻すことだろう。本来なら、短期金利の正常化(マイナス金利の解除)をしたいところだが、それでは、アベノミクスの残党から「異次元の金融緩和をやめれば、株が下がり、日本経済もダメになる」という批判が出たと思われる。


とはいえ、日経平均株価が800円下がったとき、日銀首脳陣は少しひやりとしたのではないか。


(日経新聞が28日朝刊で上限を柔軟化するとの記事を出し、その中途半端な書きぶりで株が売られ過ぎた面がある。日経の特ダネではあるが、ネタ元はだれだろう。たぶん、異次元緩和の修正をしたくない人と思われる。)


日銀の発表資料には(日経と同じ)「柔軟化」ということばが使われていたようだが、植田総裁は会見で明確に「修正」でいいと語った。黒田日銀が10年かけて壊した国債市場の修正は困難を極めるだろうが、次の一手に注目したい。

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