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羽田空港事故 常時監視モニターに担当を置かなかったワケ 特会設備予算に要員一般予算が追いつかず?

事故の緊急対策として6日から羽田空港では滑走路の常時監視モニターに要員を配置した。
上はその概念図。滑走路は黄色、誤進入した航空機は赤色に表示される。
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羽田空港で起きた日本航空機と海上保安庁機の衝突炎上事故で、滑走路への誤進入を監視するモニターに要員を配置していなかったため、誤進入を示すモニターの表示に気づかなかった可能性が指摘されている。5日付け読売新聞電子版などが報じた。


この監視システムは、着陸機があるのに、出発機が同じ滑走路に入ろうとする場合、進入を検知してモニターの画面で滑走路が黄色になり、出発機は赤色に表示される。(一例である。読売新聞記事によると、2日も正常に稼働していたという。)


6日から羽田空港ではモニターを常時、監視できるよう担当者を配置している。同じ監視システムが設置されている主要6空港にも、常時監視できるよう人員を配置する。

上は概念図の2 国土交通省資料より
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羽田空港は混雑時に2~3分おきに離発着便がある。管制官の目は外の滑走路と、航空管制レーダーを見ることに忙しく、監視モニターを見る余裕がないことはありうる。


なぜ、安全施設の整備をしたのに要員を置かなかったのか。筆者は、空港の施設整備が空港整備特別会計、管制官の人件費は国土交通省航空局の一般会計と分かれていることに一因があると考える。


監視システムの予算はついたが、必要な管制官を確保する予算がつかなかったのではないか。国土交通省全体で人件費の枠は決まっている。航空局が管制官を増やす必要性を縷々主張しても、他局も増員をいって、通らなかったのかもしれない。


航空管制官は、職務の性質内容からいって、きわめて専門性が高く、一定の養成期間が必要だ。羽田空港で管制業務を担う人たちは選りすぐりの人たちだ。


筆者の邪推が間違っていて、単に養成が追いつかないだけかもしれない。それにしても、施設整備とあわせた、中期的な要員計画は必須と思われる。


当面は人員は増やさず、担務のやりくりでカバーするという。勤務が過重にならないよう願いたい。


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この問題を最初にとりあげた5日付け読売新聞記事によると、国交省の担当者は「管制官が自分の目で見て指示する際の補助的な表示であり、常時その画面を凝視することを求められる性質のものではなかった」と説明している。
羽田管制塔に「誤進入」監視機能、事故当日も作動…国交省「画面を常時凝視するものではなかった」 : 読売新聞


管制官が自分の目で海保機の誤進入を見ていれば、当然ながら、停止の指示を出していたはずだ。この担当者氏の取り繕い方があまりに官僚的なのでここに記録しておく。


常時監視システムは正しくは「滑走路占有監視支援機能」というようだ。

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