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新型コロナ治療「イベルメクチン」臨床試験に補助金交付 欧米は「有効の証拠なし」


新型コロナ感染症治療に効果があるかどうかで議論が分かれている、「イベルメクチン」について、厚生労働省はこのほど、治療薬として臨床試験を実施中の「興和」に補助金を交付することを決めた。


イベルメクチンの新型コロナ治療薬としての効能は、実証不十分とされている。興和が効果を確認し、申請・承認にこぎつけるか注目される。


「イベルメクチン」は抗寄生虫薬として、2015年にノーベル医学生理学賞を受賞した北里大学の大村智特別名誉教授らが発見した抗生物質。


イベルメクチンに抗ウイルス性があり、新型コロナの治療薬として有効だとして、一時、海外を中心に論文が多数出された。ブラジルやペルー、イラクなど一部の国では治療薬として使われている。


しかし、「効果有り」と報告された論文に不確かなデータやねつ造を疑わせるデータが多々見つかった。


このためWHO・世界保健機関は昨年4月、イベルメクチンが新型コロナ患者の致死率や体内からウィルスを除去する効果は「証拠が非常に不確実で、臨床試験以外の状況で患者に使うべきでない」との声明を出している。


米国、英国、欧州連合(EU)の保健当局は「新型コロナ感染症として使うには十分なエビデンス(証拠)がないとしている。


イベルメクチンをめぐる「効く効かない」論争を複雑にしているのは、おもに米国で「ワクチンで救われる人よりも(副作用で)死ぬ人の方が多い」といった「陰謀論」がネット上で流され、反ワクチン派がイベルメクチンを推奨する構図ができたことがある。


(反ワクチン派が推すと言うことで科学的な議論から離れてしまった面がある)


イベルメクチンは安価で、特許もきれている。製薬会社に新薬のような大きな利益をもたらさないので、コストのかかる大規模な臨床試験をやるインセンティブが働かないのだとの指摘もある。


先進国の中で、イベルメクチンの新型コロナ治療薬としての臨床試験をすすめているのは、日本だけといっていい。その点でも興和の最終成果が注目される。


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イベルメクチンを製薬化したのは米メルク社だが、メルク社は早い段階で新型コロナ治療薬としてイベルメクチンを使うことに見切りをつけている。(理由は十分な治験効果が得られなかったため)
メルク社は新型コロナ治療の新薬で日本でも承認されたモルヌピラビルを開発販売している。イベルクメクチン支持者からはこれも見切った理由にあげているようだ。

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