時代遅れの新聞読みブログ

前期高齢者が新聞(紙、電子)・ネットのニュースをフォローします。

創薬ベンチャー アンジェス社 新型コロナワクチン開発失敗で助成金12億円返還 残り81億円はムダに?

厚生労働省のアンジェス社への助成金交付についての事後評価報告書の付表
+++++++
産経新聞(20日、電子版)によると、新型コロナウイルスワクチン開発に失敗した、製薬ベンチャー「アンジェス」(大阪府茨木市)が、国からの助成金93億円のうち未使用分の12億円を返還する見通しとなった、と報じた。
コロナワクチン開発中止、大阪大発ベンチャー「アンジェス」12億円返還へ - 産経ニュース


アンジェス社は現在、大阪府市のパビリオン総合プロデューサーの職にある森下竜一氏が、大阪大学医学部助教授だった1999年に設立した。報道によると、森下氏は2013年に同社の取締役を退いたが、新型コロナワクチン開発では共同研究者として関与している。(森下氏は個人で同社株式の0.36%を保有している。現在の大阪大学での肩書は大阪大学寄附講座教授)


厚労省が公表した事後評価報告書によると、アンジェス社は、2020年7月、政府が公募した新型コロナ治療のためのワクチン生産整備緊急事業に採択され、国の基金から93億円の助成金が交付された。


アンジェス社がDNA型ワクチンを開発し、宝ホールディングスの子会社タカラバイオがワクチンを生産する計画だった。


上記評価報告書は、タカラバイオは年間推定175万回分のワクチン生産能力がある生産体制を構築したとして、一定の評価をしている。しかし、アンジェス社が開発した「ワクチン」は臨床研究で期待されたほどの効果が出なかったため、昨年(2022年)9月に開発を中止した。


アンジェス社が受けた助成金は、生産体制構築のためで、研究開発のためではないようだ。厚労省が開発がうまくいかない場合を考えた可能性がある。


産経新聞によると、今後、生産ラインが使われない場合は、さらなる返還を求める「可能性がある」という。


アンジェス社の直近,2022年12月期の決算は売上高6700万円、純損失(利益ではない)が147億円となっている。アンジェス社は助成金を返そすにもおカネはない状況で、タカラバイオに生産ラインを買ってもらうぐらいしかないと思われる。タカラバイオにしても、つくるワクチンがないのに175万人分の生産ラインを買うのは難しいだろう。

×

非ログインユーザーとして返信する