（記者会見するナンシーペロシ米上院議長　YOU TUBE　米公共放送PBS
Pelosi's planned visit to Taiwan raises concerns in the U.S. and China - YouTube）

米国のナンシー・ペロシ下院議長（民主党）が台湾を訪問する可能性に、米中間の緊張が高まっている。共同通信（電子版）は31日、中国共産党系の環球時報・胡錫進前編集長が、中国軍による台湾入りへの妨害に効果がなければ（ペロシ氏の）搭乗機を「撃ち落とせ」と英語でツイートしたことを報じた。ツイートは違反規定だと警告され、その後削除された。

一方、読売新聞電子版によると、ペロシ議長は７月３１日、自らが率いる米国議員団によるアジア歴訪に関する声明を出し、シンガポール、マレーシア、韓国、日本を訪問すると明らかにした。報道によると、台湾には言及していないという。

産経新聞電子版（31日）は議員団の搭乗機は31日までに、米ハワイに給油のため立ち寄ったと伝えた。
ペロシ米下院議長、アジア歴訪を発表も訪台は明示せず　割れる賛否 - 産経ニュース

米国下院議長は大統領が死亡（または職務遂行不能）した場合に、継承順位が副大統領に次ぐ2番目にある。ペロシ氏は、中国の人権問題にきびしい姿勢をとる対中強硬派として知られる。訪台について、習近平主席は強く反対しており、28日に行われたバイデン米大統領との電話会談でも、「火遊びすれば必ず身を焦がす」と強いことばで、反意を述べたと報じられた。

一方、読売新聞電子版によると、ペロシ下院議長は７月３１日、自らが率いる米国議員団によるアジア歴訪に関する声明を出し、シンガポール、マレーシア、韓国、日本を訪問すると明らかにした。報道によると、台湾には言及していないという。

バイデン氏は、習主席との首脳会談で、米国の台湾政策（ひとつの中国）に変更はないと説明する一方で、「現状を変更したり、台湾海峡の平和と安定を損ねたりする一方的な動きに強く反対する」と述べたが、ペロシ氏の訪台問題については言及しなかった。

ペロシ氏が台湾を訪問した場合、習主席にとって米中首脳会談が失敗に終わったことになる。秋に共産党大会を控えている習主席にとって、許しがたいことだろう。

中間選挙を控えるバイデン米大統領にとっても米中間の緊張が一段と高まるのは避けたいところ。20日には、記者団にペロシ氏の訪台について「米軍はいい考えだと思っていない」と自制を表明している。

来週のペロシ氏の動静が注目される。