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為替円安に日銀・政府は打つ手なし ゼロ金利政策に「自縄自縛」

(ドル円相場一気に144円台に。1ドル=144円台 約24年ぶりの円安水準を更新 鈴木財務大臣「継続する場合には必要な対応をとる」 | TBS NEWS DIG )


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日本銀行の業務は、「物価の安定」と「金融システムの安定」を達成することである。ならば、さらなる物価上昇を招きかねない円安を放置しているのは、業務怠慢ではないか。7日の東京外国為替市場の円相場は、日米金利差が拡大したことから、1ドル=144円台を付けて、1998年8月以来、24年ぶりの円安ドル高水準となった。輸入物価の上昇で足もとで2%台に乗った物価上昇率が一段とあがるかもしれない。


為替は金利差だけで決まるものではないが、単純に考えれば、日銀が政策金利を上げればよさそうなものである。金利差が小さくなれば、急な円安にブレーキがかかるだろう。それをしないのは、黒田東彦日銀総裁が「景気を下支えするためにいまの金融緩和を続ける」と頑張っているためだ。黒田総裁は、「円安は総じて日本経済にはプラス」とも言っている。(円安には輸出を増やす効果があるが、現状は貿易赤字が続いている。)


黒田氏は7月に、「金利を少し上げても円安が止まるとは考えられず、円安を止めるためには大幅な利上げが必要になり、経済に大きく影響する」との考えを示している。


日本銀行は短期金利をマイナス0.1%にクギつけし、長期金利(10年物国債利回り)を0%程度(上限0.25%)になるよう、国債市場で国債を買い続けている。(国債を売れば金利が上がるので基本的には買うしかない。)


米FRB(連邦準備制度)は7月に政策金利(FFレート)を0.75%幅引き上げて2.25-2.5%にした。FRBは9月にも追加利上げすることが確実視されている。日銀が金利を少し上げても黒田総裁がいうように円安は止まらないかもしれないが、だからといって円安を放置していいと考えているのか。


日銀の「異次元の金融緩和」は、インフレ率2%の継続的な達成を目標としていた。目標を達成したものの、賃金上昇なきインフレは、多くの国民が望むことではない。「賃金を上げるのは日銀の仕事ではない」というかもしれないが、冒頭に示したように物価の安定は日銀の仕事のはずだ。


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1998年の円安の際には、日米協調介入によって円安に歯止めがかかった。いま、米国はインフレ克服が大きな目標であり、輸入物価を押し下げるドル高は米国にとって望むところ。協調介入は期待できないだろう。


1998年のドル高は最終的にはロシアのデフォルト(ルーブル危機)に伴う、ドル下落で終わりを告げた。ルーブル暴落で損失を出したヘッジファンドがドル資金の売却を余儀なくされたためだ。

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