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払い戻し権利 消滅郵貯は457億円 2021年度 郵貯民営化の余波 朝日新聞報道

上は郵政省が、郵便貯金の払い戻しに期限があることを伝える広報チラシの一部。


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2007年の郵貯民営化前に預けた郵貯定額貯金は、10年の満期を20年と2ヶ月を過ぎると、貯金者の権利が消滅し、おカネが戻ってこない――9日付け朝日新聞記事は、名義人が満期到来を知らないまま(本人が死亡したケースもあるようだ)、払い戻しされないまま、国庫に入った定額貯金などの総額は、2021年度で457億円、民営化後の累計では約2千億円にのぼると伝えている。


貯金した本人がすっかり忘れていることや、親が亡くなった後、子どもがタンスの底や仏壇の引き出しに、満期がすぎた貯金証書を見つけることは、十分ありそうだ。そんな場合でも、郵政省が「特段の事情」を認めない限り、時すでに遅く、貯金は国庫に入ってしまう。相続する権利があっても、貯金があなたの手元に入ってくることはない。


朝日新聞によると、郵政管理・支援機構は「満期を迎えた」郵便貯金の名義人住所あてに、満期から20年目に、貯金の引き出しを促す「催告書」を送っている。
同記事は、発送された催告書は、19年度から21年度の3年間で30万6000件だったが、このうち、宛先住所に名義人が住んでいないなどの理由で、8割の24万4000件が同機構に返送されている、という。


「消えた郵便貯金」の催告書、8割届かず 3年で24万件が宛先不明:朝日新聞デジタル


同機構は、満期後10年と20年の節目に「権利が消滅する」ことに注意喚起する文書を送っている。その時点で「宛先人不明」となって戻ってきた宛先(名義人)にも、催告書を送付する。同機構にとっては、8割近くが返ってくるのも想定内ということかもしれない。


権利が消滅した、郵便貯金の多くは、定額貯金とみられる。預入時に通帳には記載されず、「定額貯金証書」を受け取る。満期は預け入れから10年。


いまから30年前(満期10年+権利消滅までの20年)の1992年は、定額貯金の金利は5%近くで高かった。振り返れば、最後の「高金利時代」だった当時、定額郵貯は人気商品だった。


同機構は、(名義人に)権利が消えるまでに郵便局に行けなかった、「真にやむをえない事情がある場合」は、審査の上、権利を復活することもあるとしている。事故や災害に遭った場合や、顧客の理解力が不十分な場合(高齢を考慮か)などが例にあげられるが、「住所変更を忘れていた」というのは、認められないようだ。


朝日新聞によると、権利失効のおそれのある定額貯金などは数十万件あるという。自身や親などの身内に、放置した定額貯金がないかチェックした方がいいが、もし満期が過ぎていれば、冷たい郵政省の対応に泣くことになるかもしれない。
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なお、郵便局の通常貯金はゆうちょ銀が引き継いでおり、ある期限で権利が消滅することはない。

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