時代遅れの新聞読みブログ

前期高齢者が新聞(紙、電子)・ネットのニュースをフォローします。

黒田総裁 異次元緩和を自賛して去る 成長は実現できず日銀は袋小路

YOU TUBE 日テレNEWSLIVE 日銀政策決定会合後の記者会見をする黒田東彦日銀総裁
【ライブ】「金融緩和は成功だった」日銀・黒田東彦総裁 ”最後”の決定会合後 記者会見 ――日銀は異次元緩和を継続へ、黒田総裁はこれまでの総括で何を語る?(日テレNEWS LIVE) - YouTube


++++++


黒田東彦・日本銀行総裁は金融政策決定会合後の記者会見で、2%の物価上昇を目標として、過去10年、量的質的金融緩和をつづけてきたことを、「デフレを解消して経済を活性化させ、間違っていなかった」と総括した。
大規模緩和は「成功」、2%物価目標の達成に近づく-黒田日銀総裁 - Bloomberg


ただ、足もとでは資源高や食料高に加えて為替の円安で、4%程度の物価上昇率となっているが、賃金上昇を伴わない「悪い物価上昇」に、国民の不満は大きい。実際、物価上昇で1人あたり実質賃金は低下している。(厚労省勤労者統計)


黒田総裁の見込み違いは、為替の円安は日本経済にとって全体としてはプラスが大きいといっていたことにある。円安になっても、輸出は黒田総裁が想定したほどは増えず、貿易赤字はこの1月に過去最大規模の大きさになっている。


半導体不足で自動車輸出が増えなかったなどの要因はあるが、根本的要因は日本の産業競争力が低下していることにある。低金利は競争力を失いつつある企業の延命、コロナで打撃を受けたサービス業にはプラスだったかもしれないが、競争力を上げるには到らなかったといえる。


日銀は「異次元緩和」で、マイナスを許容する「超低金利」をつくりだすため、国債を高値(ほとんどゼロ金利で買い入れ、昨年末で発行残高1060兆円の半分以上、560兆円を保有するにいたった。


アベノミクスの信奉者は日銀が国債の買い入れを続ければ、低金利を続けられると無条件に考えている人が多いが、本来市場で決まる、長期金利(10年物国債利回り)ゼロを基準とする金利カーブ・コントロール(YCC)はもはや限界にきている。


いまも長期金利は上限の0.5%に張り付いている。今後、物価が高止まりした場合、日銀が長期金利0.5%の固守にこだわると、日銀の国債買い入れ額が加速度的に増える可能性もある。日銀はほとんど袋小路に入ったようにみえる。


植田氏は「私の使命は、魔法のような金融政策を行なうことではない。物価目標2%のミッションを達成し、金融政策の正常化に踏み出すことだ。」と国会答弁で述べている。


黒田氏のこれまでの「成功」は、一方で、国債をいくら発行しても、「日銀が借り換えすれば問題はない」というシン・アベノミクスというべき怪物を生んでしまった。これが植田新体制の一番の難敵だろう。

×

非ログインユーザーとして返信する