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テレビ山口労組 48時間スト 冬賞与減額に対抗 一部TBSニュースに差し替え ローカル局冬の時代

テレビ山口のストライキを伝えるNHKのウェブニュースサイト 
テレビ山口労組が31年ぶりのストライキ 放送を一部休止 山口 | NHK | 働き方改革
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テレビ山口の労働組合は、冬の賞与に会社側が減額回答したことを不服として、15日から16日の2日間、48時間のストライキを行った。夕方のローカルニュースを、キー局のTBSのニュース番組に差し替えたり、下請けの制作スタッフによる取材や、管理職(非組合員)アナウンサーの起用で対応した。


NHKのローカルニュースはテロップで「放送一部休止」と報じている。視聴者にテレビ山口が休止=停波した(カラーバー映像を送った?まさか砂嵐映像?)かのような印象を与える不適切な見出しと言わざるをえない。


報道によると、テレビ山口の組合員は40人で、全社員の半数にあたるという。半数がストに入った影響は大きいと思われるが、会社側は夕方のニュースをキー局のTBSのニュース番組に差し替えることや、下請けの制作スタッフによる取材や、管理職(非組合員)アナウンサーの起用で対応した。


テレビ各社はキー局かローカル局かを問わず、インターネットに押されて、視聴率の低下、とくに若者のテレビ離れに悩んでいる。民放の場合、視聴率低下は即、売上減につながるから深刻だ。(低視聴率だとCMがつかないので、通販番組をした方がましということになる。)
ローカル局は、これに人口減少や地域経済の地盤沈下が加わる。地元のCMが減り、キー局の番組をCM込みで流すことによる収入も減る。冬の時代を迎えているのだ。


山口県のローカル局首位は山口放送(日本テレビ系列、ラジオ局も兼営)だ。1960年代に開局した老舗のローカル局だが、23年3月期決算は売上高52億円に対して営業利益は4400万円の赤字となっている。


テレビ山口は、設立順では山口放送の次の2番手。ローカル局の営業は先発局ほど強く、後発はシェア拡大に苦労するのが普通だ。ところが、最近の売上高をみると、テレビ山口はいわゆる平成新局の山口朝日放送(テレビ朝日系列)に抜かれている状況だ。(ウィキペディアの決算数字による)本当に賞与減額に迫られるほど経営が苦しいのかもしれない。


NHKのローカルニュースはテロップで「放送一部休止」と報じた。放送休止はほとんど放送事故に近い用語であり、その重さは受信料を基盤とするNHK職員といえども承知しているはずだ。おそらく、テレビ山口は労使ともに「一部休止」には「それは違う」と思っているはずだ。少しでも番組が休止したら放送局にとってはオオゴトなのである。


NHKも過去には時限ストをしたことがある。そのときはやはり管理職のアナウンサーがニュースを読んでいた。いまのNHKの記者が「ストライキ」一般に忌避感を持っているなら、NHKの保守化=右傾化がすすんでいると言わざるをえない。


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テレビ山口の労組は、全国組織としては共産党系の全労連の傘下にある。48時間ストという強行策に出たのは全労連系ということと無関係ではないだろう。
48時間ストを打っても、影響があったのは夕方のニュース番組だけということは、それだけ、自前の番組、ニュースがないということを意味する。視聴者からTBSのニュース番組の方が面白かったと言われかねないのは気に止めておくべきだろう。


山口朝日放送 - Wikipedia
テレビ山口 - Wikipedia
山口放送 : 業績・財務 : 日経会社情報DIGITAL : 日経電子版

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