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豊島九段が藤井名人・八冠に挑戦  順位戦最終局 菅井八段に勝利 佐々木、中村は薄氷のA級残留

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将棋の第82期名人戦・A級順位戦(朝日新聞社、毎日新聞社主催)の最終9回戦が29日静岡市の料亭「浮月楼(ふげつろう)」で行われ、6勝2敗で対局を迎えた順位1位の豊島将之九段(33)が順位2位、5勝3敗の菅井竜也八段(31)をやぶって、藤井聡太名人(21)=竜王・王位・叡王・王座・棋王・王将・棋聖と合わせ八冠=への挑戦権を獲得した。


豊島九段と菅井八段の直接対決は、終盤までほぼ互角の展開となった。豊島九段が96手で約12時間の戦いに勝利をおさめた。


豊島九段は開幕から6連勝したが、その後2連敗して悪い流れで最終局を迎えた。


順位戦で3番手につける永瀬拓矢九段(5勝3敗)が最終局の中村太地八段(4勝4敗)に勝利したため、もし、菅井八段に負ければ、3人のプレイオフになる可能性があった。


豊島九段は2019年の第77期名人戦で名人位を初めてとり、竜王との2冠となった。しかし、翌年、20年の第78期は、渡辺明(当時、王将と棋王の二冠)に名人のタイトルを奪われた。


豊島九段と藤井八冠との対戦成績は藤井名人の22勝11敗。藤井八冠が無冠の時代、豊島九段が公式戦で対藤井戦6連勝をして、藤井七段(当時)の前に立ちはだかるかと思われた。しかし、藤井の成長は著しく、豊島は保持していた竜王、叡王のタイトルを奪われるなど、最近は分が悪い。


朝日新聞の将棋担当、村瀬信也記者は、「(豊島が)過去4度対戦しているタイトル戦はいずれも藤井名人が制しているが、内容的には接戦が多い。主導権をとりやすい先手番を豊島九段が握った場合は(対藤井戦)8勝8敗の五分だ。『最強の挑戦者』といえる。」と書いている。名人戦での好勝負を期待したい。


名人戦七番勝負は2日制で、4月10日、11日の第1局から、最長日程で第7局、6月25日、26日までの日程で戦われる。


一方、順位戦A級の「降級争い」(降級を免れる勝負)に目を向けると、最終戦で負けた広瀬章人九段(最終成績3勝6敗)と斎藤慎太郎九段(同3勝6敗)の下位2人がB1級に降級する。
【詳報】豊島将之九段が名人挑戦決めた夜、残留した2人の雄弁な沈黙:朝日新聞デジタル


今年度A級に昇級した中村太地八段(同4勝5敗)と佐々木勇気八段(同4勝5敗)はともに残留することになった。


中村八段は最終戦に勝てば自力で残留できたが、負けてしまった。佐々木八段は最終戦に勝利したが、中村八段同様、他者の勝敗次第(3勝6敗の人が2人でる)という状況に。


2人は対局後、感想戦をしているときに残留決定を知らされが、重い口からは、今期の反省点を振り返る言葉が出た。


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将棋の八大タイトルの序列はまことに現実的なことに、賞金金額で決まっている。賞金額1位は竜王戦。賞金額2位の名人戦は、名人の称号が江戸時代からあることや、昭和10年に実力名人制となり名人戦がはじまったことに鑑みて、竜王と同格あるいは、並ぶ称号とされる。


竜王戦は読売新聞社主催、名人戦は以前は毎日新聞社の単独主催だったが、いまは毎日と朝日新聞社の主催となっている。


2つのタイトルを同格、並ぶものとするのは、スポンサーでもある主催新聞社の顔を立てるためとみることもできる。

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