時代遅れの新聞読みブログ

前期高齢者が新聞(紙、電子)・ネットのニュースをフォローします。

アルツハイマー新薬 承認見送り 厚労省部会は継続審議に 共同開発のエーザイ株は大幅下落


報道機関各社は23日朝刊で、厚生労働省の専門家による部会が22日、アルツハイマー型認知症の新たな治療薬「アデュカヌマブ」(薬品名は「アデュヘルム」)の国内での製造販売について、「現時点のデータから有効性を明確に判断することは困難」とし、承認を見送り、継続審議することにした。


共同開発した製薬大手エーザイの株式は23日の東京市場で失望売りが出て大幅に下落した。


アデュカヌマブは、エーザイと米製薬大手バイオジェンが開発した点滴薬。アルツハイマー型認知症に対し、早い段階で使うことで、進行を緩やかにできると期待されていた。昨年12月に厚労省に承認申請をした。


米国では今年6月、米食品医薬品局(FDA)が承認したが、追加治験で有効性を示せなければ、承認を取り消すことがあるとの条件をつけた。


(米国の承認でエーザイ株は7,000円前後だったのが一時は1万3,000円近くまで急騰した。その後、条件が厳しいことを嫌気して下落した。)


一方、欧州連合の医薬品審査をする欧州医薬品庁(EMA)は11月に否定的な見解を示していたが、今月に入って、「投与のメリットがリスクを上回っていない」として承認しないことを両社に通知した。日本の厚労省の判断が注目されていた。


アルツハイマー型認知症の原因は神経細胞の働きを失わせるたんぱく質「アミロイドβ(ベータ)」が脳内に蓄積するためと考えられている。アデュカヌマブは、アミロイドβを抑える働きがあるとされる。


厚労省・部会は、アミロイドβが減っても認知機能の衰えが進む患者もおり、関連性は十分に明らかではないなどとした。


日本での審議継続を受け、エーザイは23日「(エーザイとバイオジェンの)両社は、独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)と追加データについて前向きに協議を行ってまいります。本剤を待ち望む日本の当事者様に一日も早くお届けできるように、最善を尽くしてまいります」とのコメントを出した。


アルツハイマー型の認知症については、病気の原因に直接はたらく薬はこれまでになく、高齢化が進む先進国を中心に世界的にも注目を集めていた。


厚労省によると、追加の臨床試験(治験)の結果などの提出を待ち、改めて審議するが、年単位の時間がかかるという。


世界の認知症患者は約5千万人、日本国内の認知症患者は約600万人で、7割がアルツハイマー型とされる。


+++++++++


アデュカヌマブが米国で承認されたことに疑義を呈する論考を下に紹介します。



ウィキペディアによると、


米国FDAの外部専門家委員会は、2020年11月、アデュカヌマブの主要な試験において、薬が効いたという「有力な証拠」を示すことができなかったと結論付け、潜在的な安全性の問題とともに、データ分析で見つかった有効性への疑問や、複数の「危険信号」を理由に、FDAにアデュカヌマブを承認しないよう提案した。


FDAの審査委員会では、1名の委員が不確実で、10名の委員が承認に賛成しなかった。委員会の3人のメンバーは、委員会の勧告に反してFDAが承認した後に辞任した。


米国の患者支援団体は、治療法の選択肢がほとんどない衰弱した疾患に対する新規の薬剤であることから、承認に向けて強力に働きかけていた。

×

非ログインユーザーとして返信する