（オンラインカジノにある注意喚起の一文　多くの人は自分は限度を守れると思っているのだが・・・気づいた時はもう遅い、戒めのひとつ。）

山口県阿武町が新型コロナウイルス対策の臨時特別給付金として、住民男性X氏（24）に誤送金した4630万円のカネは、「海外の複数のカジノサイト（オンラインカジノ）で使った」とX氏の弁護士があきらかにした。本当なら、カネが町に戻ってくる可能性はほとんどないと思われる。

オンライン・カジノはネット上の「カジノ」で、画面上でルーレットやポーカー、バカラなどなどのギャンブルができる。PCやタブレット、スマホでも遊べる。（ネット検索すると「カジノベスト20」などがヒットする。）

報道によると、阿武町からカネが振り込まれたのは4月8日だが、X氏はそれから2週間ほどでカネをオンラインカジノですってしまったようだ。
賭け金の上限が一日100万円程度のサイトがあり、複数のサイトで負ければ2週間で4630万円ぐらい負けることもあると思われる。

筆者は不思議に思うのは、給付金が払い込まれた8日のうちに60数万円が引き落とされていたことだ。前後関係は不明だが、8日に男性は町職員とともに「返還」手続きのため銀行まで行ったが、その場で「きょうはしない」と拒否して帰ったという。

推測になるが、男性は以前からオンラインカジノをやっており、おカネを返す前にひと勝負したくなったのではないか。儲けてから返せば良いという魂胆である。

それで初日に60数万円を投じてみたが、もうけるどころか負けてしまったのではないか。
その先はギャンブルによくある泥沼への一直線だ。

（これも注意喚起の一文）

口座からカネの引き落としや他口座への振込を頻繁に行い、2週間ほど（4月22日ごろか）でほぼ全額がなくなっていたという。

疑問は阿武町にもある。町はなぜ早い段階（口座にカネが残っているうち）で警察に相談して、「横領」でX氏を告訴するなり、あるいは被害届を出すなりしなかったのだろうか。

町長が町議会にはかり、X氏を相手取り返還を求める民事訴訟を起こしたのが5月12日だ。誤送金してから1ヶ月以上たっている。このときに、町長は「逮捕してもおカネが戻ってくるわけでもない」と奇妙な言いわけをしているが、自らの対応が遅れたことの説明はない。
（X氏の母親にも説得してもらったが、その時にはすでに使っていたと思われる）

X氏の行為は横領、詐欺あるいは窃盗の犯罪行為に当たるのでないかとネットでは取り沙汰されている。X氏本人も「罪は償う」と言っており、一応、悪いことをしたとは考えているようだ。

犯罪にかかわるおそれのある預金口座につい銀行は捜査機関の要請により取引停止をすることができる。これはオレオレ詐欺などを想定した仕組みだが、今回の事例に適用できたのではないか。

誤送金の原因は、町役場職員が銀行に渡す「送金データ」に間違ったデータを入れたことだ。463人分を1人に送金してしまったのである。町長は、余りにも「大きなミス」だったため、「穏便」に処理したかったのだと思われる。
それがかえって事を大きくする、失敗事例の見本になってしまった。

今後、警察がどう動くか（動かないか）だが、明白な犯罪がここまで明らかになって放っておくわけにはいかないだろう。

しかし、海外オンラインカジノにカネが流れているとなると、事実関係（カネの流れ）の解明について困難が予想される。加えて被害回復が難しいとなると、警察の「やる気」も出ないのではないか。

X氏は過疎対策の「空き家バンク制度」を使って、古い一軒家にすみ、町内で働いていたという。本人は「少しずつでも返していきたい」といってるそうだが、もはや町に住むことは難しいだろう。

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筆者はX氏がもうカネはないと言うのは、第三者にカネを預けたか、借金を抱えていて返済したからだろうと考えていた。FXでも大きく賭けて飛ばしたかとも邪推したが、給付金が低所得者向けの措置であることを考えるとX氏はFXはやっていないと考えていた。
オンラインカジノと知って、その手があったかと気づいた次第だ。クレジットカードならカードの利用限度額までしか使えないが、いまは現金決済ができるので大きく張れるようだ。

リアルの違法カジノでギャンブルをすると賭博罪に問われるが、海外の合法的なオンラインカジノに、日本人がカネをかけて参加することは、賭博罪にあたらないというのが、一般的な見解のようだ。

日本国内にオンラインカジノのサーバーを置き、ネット上で客を集めて換金・払い戻しをすれば、違法カジノと同様に「賭博場開帳図利」にあたる可能性がある。