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岸田首相 食品価格軸のインフレ対策 日銀・金融政策の方向には言及なし


岸田文雄首相は15日、通常国会閉会に伴う記者会見を行い、物価高騰対策について、「物価賃金生活総合対策本部」を立ち上げ、エネルギー、食料価格上昇の影響を抑える姿勢を強調した。その一方、日銀の金融政策ついては「引き続き、物価安定目標を持続的に維持するために努力を続けてもらうことを期待している」と述べ、とくに言及はなかった。


岸田首相は、物価上昇をもたらしているのは、「ロシアによるウクライナ侵攻の影響が大きい」との認識を示した。エネルギー、食糧価格はウクライナ戦争以降に一段高となったが、4月以降の物価上昇は円安の影響も大きい。


円安の要因はエネルギーの約90%、食糧(カロリーベース)の50%以上を輸入に頼る日本の「弱点」を露呈した形だ。もう一つの理由は、インフレ対策で利上げする米欧の中央銀行と、かたくなに「金融緩和を粘り強く続ける」とする日本銀行・黒田東彦総裁の方向性の違いがある。


米FRB(連邦準備制度)は、15日に0.5%ないし0.75%幅の利上げを決める予定だ。7月にも利上げが予定されており、日米金利差は開く一方だ。


16、17日に開かれる日銀の金融政策決定会合がアベノミクスの名残である「異次元の金融緩和政策」の修正に動くかどうか注目される。


岸田首相は、エネルギー価格の高騰対策として、現行の石油製品価格を抑制するための石油元売りへの助成金の継続や、夏の需要期に向けた省エネ・節電への協力を訴えた。


また、電力需給安定のため、再生エネルギーの拡大と、安全を確認し、地元理解を得たうえで、原発の再稼働を進めると述べた。


食糧価格については、10月に予定されている、輸入小麦の売り渡し価格改定について、必要に応じて価格抑制措置を講じると述べた。


円安による、家畜の輸入飼料高騰で、食肉価格の上昇や生産者の廃業が懸念されるが、岸田首相は官民でつくる基金から生産者に助成金を交付し食肉やソーセージなど加工品の価格上昇を抑える考えを示した。


また、インフレによる賃金目減り対策について、最低賃金(全国平均)をすみやかに1000円に引きあげたいとの考えを述べた。


岸田首相は金融政策については為替相場に影響がある一方、中小・零細企業の経営にかかわると述べ、日銀は様々な影響を総合的に判断して金融政策を決めると理解していると語るにとどまった。


一方、日本銀行は「連続指し値オペ」を16日から2日間、残存期間7年の国債を対象に実施すると発表した。0.25%の利回りですべて買い入れる予定だ。


黒田日銀総裁は、長期金利(10年物国債利回り)を0.25%を上限として国債の買い入れをしてきたが、政策変更(といっても倍にするようなことはできない)をするのかどうか注目される。

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