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プルサーマル発電 燃料確保できず24年度で中断 仏工場の不調で 再開は仏頼み

YOU TUBE サガテレビニュースより 
玄海原発3号機 プルサーマル中断へ 通常のウラン燃料に置き換える見通し【佐賀県】 (23/03/22 11:55) - YouTube


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発電にプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料を使うプルサーマル発電が、燃料製造を委託する仏工場の不調のため、24年度中に運転を中断することになりそうだ。いまプルサーマル発電をしているのは日本とフランスだけで、MOX燃料はフランスが頼みの綱だ。
運転再開はフランス次第となる。


プルサーマル発電は、政府の「GX(グリーントランスフォーメーション)実現に向けた基本方針」の中で、プルトニウムを活用する「核燃料サイクル」の柱のひとつになっている。


毎日新聞が5月4日付け電子版記事で報じた。
迷走プルトニウム:プルサーマル燃料確保できず | 毎日新聞


プルサーマル発電は、ウラン核燃料の有効利用と、プルトニウムの「活用」し、核エネルギーの利用効率をあげようというねらい。使用済み核燃料を再処理(化学処理)し、核物質のプルトニウムを分離する。これにウランを混ぜて、MOX燃料をつくり、原子炉で再度、核分裂反応を起こさせてエネルギーを取り出す。


現在プルサーマル発電を行っている九州電力玄海3号機が今年11月、四国電力伊方3号機が来年(23年)7月までの運転で、原子炉内のMOX燃料を使い切る予定。使うMOX燃料がないため、プルサーマル発電を中断し、通常のウラン燃料による発電を行うことになる。


原発を持つ大手電力は、使用済み・ウラン核燃料からプルトニウムを取り出す再処理を英仏に委託し、「MOX燃料」として再輸入し、国内の原発で使っていた。政府は2030年までに原発12基でプルサーマル発電を計画しており、GX基本方針にも盛り込まれた。


英国のMOX核燃料工場は、2011年の東日本大震災の影響で日本のプルサーマル発電が進まず、日本向けにつくるMOX工場の採算性がとれなくなり、製造をやめた。(英国はプルサーマル発電をしていない)それ以前にも、MOX燃料についてのデータを偽証するトラブルがあった。


仏はプルサーマル発電を行っており、フランス南東部の燃料加工工場「メロックス工場」で自国向けと日本向けのMOX燃料をつくっている。


昨年9月の毎日新聞記事、迷走プルトニウム:燃料の不良品多発で脱プルサーマル化 仏が直面する「負のサイクル」 | 毎日新聞
によると、2015年以降、メロックス工場でつくる、MOX燃料が品質基準を満たさない問題が発生、MOX燃料の製造が遅れ、仏国内のプルサーマル発電も一部が止まっているという。


国内では、日本原燃が青森県六ヶ所村に、使用済み核燃料からプルトニウムを取り出す再処理工場を建設したが、設備トラブルなどが相次ぎ、稼動開始は延期に次ぐ延期を重ねてきた。規制強化への対応もあり、稼動のメドが立たない状況だ。


政府・大手電力としても、いまは仏の燃料工場の正常稼動を待つしかない。ただ、この先、六カ所の再処理工場が稼動したとしても、実績のあるフランスが手こずっているMOX燃料をすんなり作れるとは考えにくい。プルサーマルの前途はなお困難が予想される。
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MOX燃料の品質上の問題は、ウランとプルトニウムが均一に混ざらず、プルトニウムの濃い部分ができることにあるようだ。ウラン、プルトニウムは核分裂物質だが、濃度にムラがあると燃料棒の一部だけが高温となり、破損するおそれがある。

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