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羽田衝突事故 管制は海保機に「離陸許可」出さず 国土交通省 管制との交信記録公開

YOU TUBE テレ東NEWSBIZ 羽田事故 海保機に滑走路への侵入許可なし 国交省が交信記録を公開(2024年1月3日) - YouTube
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国土交通省は3日、羽田空港で2日午後5時47分ごろ起きた、日本航空機と海上保安庁の航空機の衝突炎上事故に関連して、航空機と管制官との交信記録を公表した。国土交通省は、管制官は海保機に「滑走路手前の停止位置まで進むよう指示をしたが、離陸は許可していない」との認識を示した。


この事故では、海保機の乗員5人が死亡した。救助された機長は、国交省の聴き取りに対して、「管制官から離陸の許可を得た」と話しているという。(「滑走路への進入許可を得た」と話しているとの報道もある。)


管制官と海保機が最後に交信したのは午後5時45分ごろで、海保機が「滑走路停止位置に向かいます」などと伝えた。


国交省によると、「滑走路停止位置は誘導路を指す。交信記録を見る限りは、海保機に対しては離陸の許可は出ていない」との見解を示した。


日航機に対しては、管制官は午後5時44分56秒に、「滑走路34R着陸支障なし」と伝え、着陸許可を出した。


朝日新聞電子版によると、午後5時45分11秒、海保機に「C5上の滑走路(手前の)停止位置まで地上走行してください」と指示し、海保機は同45分19秒に「滑走路(手前の)停止位置C5に向かいます」と応じている。
海保機に滑走路への進入指示は見当たらず 国交省が交信記録を公表 [日航機・海保機事故]:朝日新聞デジタル


交信は英語で行っているが、国交省は日本語の仮訳も公表した。


当ブログは、「管制官の誘導ミスか飛行機パイロットの聞き取りミスの可能性がある」としていたが、現時点では海保機のパイロットが何らかの理由で(JAL機の着陸を認識せず、先に離陸しようとした?)、判断を誤り滑走路に進入したと思われる。


事故直前、JAL機はC滑走路(3360メートル)の南側から着陸態勢に入っていた。海保機はJAL機の進行方向左側、滑走路のほぼ真中付近の誘導路から滑走路に進入した。


映像記録をみると、JAL機は海保機と衝突後、かなりのスピードで滑走路を進み、第2ターミナルの北側ほぼ正面の位置で停止した。(JAL機が炎上する映像は、第2ターミナルに設置したカメラが撮ったと思われる)JAL機は着陸直後だったようだ。


2日のテレビ、3日の新聞に登場した元JALパイロット、航空評論家の小林宏之氏の談話などを整理すると、


①同じ滑走路に2機の飛行機がいることは本来、ない②通常は着陸態勢にあるJAL機が優先される。(回避行動が難しいため)③管制管は海保機に誘導路での待機を指示する(べき)としていた。


交信記録の公開で、海保機の誤判断がきわめて濃厚になった。


管制側とJAL機、海保機との交信記録について、国土交通省は2日には報道機関の公開要請に応じず、固く秘していた。


航空管制業務、海上保安庁のいずれも国土交通省の管轄下にある。秘密にすることが、どちらかの「身内」をかばうとの批判を招きかねない。あるいは、管制業務全般への不信をまねくことは避けたいとの判断があったとみられる。


事故原因については行政側は、国土交通省の運輸安全委員会が調査することになる。一方、警視庁は業務上過失致死傷容疑で捜査に着手した。


JAL機はエアバスA350で、全長66.8㍍、全幅64.75㍍、全高17.05㍍で、標準の座席数は369席。乗客は乳幼児を含めて367人で満席状態だった。炎上する機体から、乗員12人を含めて全員が待避できたのは奇跡的といえる。14人の乗客が体調不良で治療を受けているという。


海保機はカナダ、ボンバルディア社製のDHC8-300。双発のターボプロップ機で全長25.68㍍、幅27.43㍍、高さ2.49㍍。(前のブログで機種をMA722と書いていたが、MAは海上保安庁の略号のようだ。)


JAL機、海保機ともに原型を止めないほど焼損している。旅客機は悪天などで目的地から引き返す可能性を考慮し、一定の燃料(ケロシン、灯油に近い)を残している。海保機は能登地震の救援のため、新潟航空基地(新潟飛行場)に向かう予定で、相当量の燃料(ケロシン)を搭載していたと思われる。


A350の最大離陸重量は210~300トン。DHC8-300の同型機の最大離陸重量は16~30トン。ひと桁重さが違う。小型の海保機は激しく壊れており、衝突による衝撃の大きさを示している。(前のブログでDHC8-300の離陸重量を誤っていました。訂正します。)

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