時代遅れの新聞読みブログ

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野党 衆院で負けた「消費税率下げ」主張のムリ「労組」基盤なら賃上げを闘え

(4野党の消費税引き下げに関する参院選および衆院選挙の公約)


消費者物価が2ヶ月連続で2%を超えしたことで、参院選で各野党は程度の差はあっても、岸田政権の物価対策が不十分だと批判し、消費税の軽減を公約に掲げてアピールしている。


野党各党は昨年の衆院選でも野党共闘の目玉として、消費税率の引き下げを掲げていた。衆院選では負けたが、ウクライナ侵攻を機にエネルギー、食料価格が高騰したいまの状況は違うとみたのだろう。


各新聞の序盤情勢では自公で改選議席の過半数を上回る勢いで、消費税率下げはそれほど受け容れられているとはみえない。


そもそも消費税の段階的な引き上げは、2012年6月、のちに分裂する旧民主党が政権にあった当時、野党、自民、公明との間で、「社会保障と税の一体改革関連法案」として合意したものだった。


そのころの消費税率は5%だったが、高齢化にともなう社会保障費の増大にあてるため、2014年4月に8%、15年10月に10%に引き上げることになった。


立憲民主の泉健太代表、国民民主の玉木雄一郎代表は12年の時点で民主党の議員だっったからこのへんの経緯はよくわかっているはずだ。(とくに玉木代表は財務相キャリア官僚である)


安倍晋三政権のもと2014年4月の引き上げは予定通りに行われたが、その後、景気の落ち込みで10%への引き上げは2度の延期を経て2019年10月にずれ込んだ。


食品などは軽減税率8%を適用されることになり、それに対応するため1年の周知、準備期間をとった。


筆者はこうした経緯から言って、立憲民主の泉代表と、国民民主の玉木雄一郎代表が、衆院選で受け容れられなかった「消費税率引き下げ」を、再び参院選挙でも持ち出すのは戦略的にみて間違っていると考える。


物価上昇対策をいうなら、一時金の方がバラマキではあるが、インフレ目減り分の穴埋めとしてはまだましである。


消費税引き下げを言う「野党」がイケないのは、減税の財源を考えていないことだ。令和3年度予算でいうと、消費税は20兆2840億円で税財源としては一番多い。


これを、5%にすると半分近くを別の財源に求めなければならないが、共産党をのぞいて、立憲民主、国民民主、維新の三党は国債発行を財源に求めているようだ。


共産党は消費税減税をいう一方で、企業の所得税増税、内部留保への課税を言っている。財政の健全性かを重視する立場から言うと共産のほうがスジが通っているといえる。


いまの消費税10%課税の内訳は、国税6.24%、地方税1.71%となっている。(8%軽減税率課税だと国税6.24%、地方税1.76%)これを下げるとなると、地方自治体を巻き込んだ大変な騒ぎになるだろう。国会議員なら当然のこと知っていることだ。


筆者には立憲、国民の2党については、消費税減税は無理を承知で言っているように思われる。


「日本維新の会」は何を考えているかよくわからない。松井一郎代表の言動をみると消費税引き下げに安保・防衛ほどには力点は置いていないとみられる。維新は衆院選では「所得税、法人税も減税するフロー大減税を行う」といっており、財源を顧慮していないことは同じである。


立憲民主、国民民主は労働組合のナショナルセンター「連合」を支持基盤とする。本来なら、インフレ対策として賃上げ運動を展開するところだが、「連合」が自民にすり寄ってしまったので、ムリと知りつつ消費税減税に向かったように見える。

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