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小麦粉値上げの背景に 中国の「爆買いあり」 大豆、トウモロコシも上昇

小麦粉値上げの背景 中国の穀物爆買い
大豆 トウモロコシも 国際価格上昇


筆者が近くのスーパーで購入した小麦粉、日清フラワー(左)は1000グラム238円、トップバリュー薄力小麦粉(右)は700グラム91円でした。



小麦粉メーカーなどの小麦粉・小麦製品の値上げが相次いでいる。政府がこの10月から、輸入小麦の製粉メーカーなどへの売り渡し価格を引き上げたことが、最終価格に波及している形だが、背景には、コロナ禍から回復した中国が今年初めから北米で小麦の買付量を急速に増やし、小麦の国際価格の上昇を招いたことがある。今後、為替の円安傾向、原油高の上昇による影響も懸念される。


中国は大豆やトウモロコシの海外買付も増やしており、小麦同様、国際価格の上昇を招き、国内でも食用油やトウフなど大豆製品、飼料価格の上昇を招いている。
日本のざっと10倍の胃袋を抱える中国の穀物「爆買い」が日本を揺さぶっている。


NHK・WEBニュース(11月10日)は、「大手製粉メーカー3社は、輸入小麦の価格の上昇などに伴い、来年1月上旬から、家庭用の小麦粉を値上げする」ことを報じている。
製粉大手の「日清フーズ」と「ニップン」「昭和産業」の3社で、1月4日の納品分から、それぞれ製品によって1.5%~9%の値上げとなる。



小麦の年間国内流通量は570万トン。その9割を海外(おもに米国、カナダ、豪州)から輸入している。小麦は国家貿易品目で、政府が一括して海外で買付・輸入し、政府売り渡し価格で製粉メーカーなどに売っている。価格改定は4月と10月の2回。今回の製粉各社の値上げは、10月から政府売り渡し価格を前期(4月期)比で19.0%引き上げたことによる。


大豆、トウモロコシの国際価格も、中国の輸入の増加や、バイオ燃料としての需要の高まりを受けて、年初から上昇傾向にある。
日本が輸入する大豆は年間約330万トンで、おもに食用油や飼料に使われている。小麦と違い民間貿易なので、国際価格、為替、運賃コストが小麦に比べると速やかに影響する。大手食用油メーカー各社は11月1日から今年に入って4回目の食用油の業者納入価格の値上げをおこなった。


豆腐、油揚げなど大豆加工食品に使われる国産大豆も値上がりしている。


NHK・WEBニュースによると、大豆は国際価格の上昇のほか、日米間のコンテナ不足も影響している。


大豆が価格高騰 豆腐など値上げの動き コンテナ不足も要因 | 新型コロナ 経済影響 | NHKニュース


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蛇足:小麦の売り渡し価格(トンあたり)は、海外での小麦買付価格に海上運賃、港湾費用などのコストを加えたうえに、さらに政府に差益が出るよう、上乗せ額(マークアップ)を足して決められている。この差益は国内小麦農家への補助金にあてられる。差益の総額


蛇足2:農水省は売り渡し価格引き上げの理由について下の3点をあげている。
① 年初来の米国産、カナダ産小麦に対する中国の旺盛な買付け、とくに高騰したトウモロコシに代替する飼料用需要などで、小麦の国際価格が上昇している
② 6月以降、米国北部およびカナダ南部の日本向け小麦生産地において、高温乾燥により作柄が悪化し、価格が高騰した。
③ 太平洋エリアで輸送需要が回復傾向になったことなどから海上運賃が大幅に上昇した

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