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米債務上限問題大詰め 過去には政府機関閉鎖も 「デフォルト回避」では一致だが

YOUTUBE TBS NEWS DIG アメリカ債務上限問題 バイデン大統領と下院議長が22日に会談へ|TBS NEWS DIG - YouTube 米軍岩国基地でエアフォースワンに乗り込むバイデン大統領


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バイデン大統領はG7主要七カ国首脳会議閉幕後の記者会見の冒頭で、米国の債務上限問題について発言した。日本国内で関心の高かった核軍縮でも、ウクライナ支援でもなかったことは、米国にとっての債務上限問題の重要性がわかる。
米 債務上限問題 共和党案にバイデン大統領「受け入れがたい」 | NHK | バイデン大統領


債務上限について、イエレン米財務長官は、6月1日までに引きあげなければ、米国がデフォルト(債務不履行)となり、金融・証券市場が混乱する可能性があると警告している。


過去の例からいうと、一気にデフォルトまで行かなくても、2013年にオバマ政権下で起きたように、一部の政府機関が閉鎖する可能性がある。(給料を払えなくなる)


米国は、連邦政府が財務省証券(国債)を発行して、借り入れられる金額の上限が法律で決まっている。借り入れ額が上限に達すると、議会が上限引き上げを承認する必要があり、できなければ、政府は最終的には、デフォルト(債務不履行)に陥ることになる。


債務上限をめぐる紛糾は10年に1、2回は起きているが、背景には常に共和党と民主党の対立がある。(1990年代にはもっと頻繁に起きている)


米議会下院は昨年11月の中間選挙で、共和党が多数政党となり、上院(民主党が実質的な多数党)とのねじれを生じた。このころから、債務上限引き上げがいずれ、政治問題になるとの見方があった。


今回、共和党は、引き上げを認めるかわりに、大幅な歳出削減を求めている。バイデン政権が打ち出したEV(電池自動車)への税制優遇の見直し、新型コロナウイルス対策の未使用資金の回収、メディケイド(低所得者向け公的医療保険制度)の受給要件の見直し(厳格化)などだ。


いずれもバイデン大統領の「目玉政策」で、次期大統領選への出馬を決めたバイデン氏にとって、とうてい、のめるものではない。


バイデン大統領は、広島サミット閉幕後の会見で、「これまでの3兆ドル近い財政赤字の削減に加えて新たに1兆ドル以上の支出削減案を提案したにもかかわらず、共和党側は富裕層を守りながら、100万人近い人たちへの食料支援を危険にさらすような提案をしている」と述べ、共和党案を受け入れる考えがないことを示した。(NHK電子版ニュースによる)


バイデン大統領と債務上限をめぐって協議しているマッカーシー下院議長は、米中間選挙後の今年2月に議長に選ばれた。トランプ前大統領に近い下院議員が他の共和党議員に投票するなどして、「抵抗」したため、議長選投票は、歴史上最多の15回におよんだ。


共和党内の強硬派、根強いトランプ支持層の存在を考えれば、マッカーシー議長が党内意見をまとめることは容易なことではない。


いつかは妥協が成立し、たぶんデフォルトは回避されるだろうが、問題はその時期だ。「万が一」の疑心にかられた市場が、動揺することもあるだろう。


米経済がインフレ、金融引き締め局面にあり、中堅銀行が相次いで破綻に見舞われる脆弱性を抱えていることを忘れてはいけない。


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2011年にも、債務上限引き上げが政治問題化した。このときは期限ぎりぎりの8月2日に上限引き上げが議会承認された。ところが、3日後の8月5日、格つけ会社のS&Pは、財政赤字の削減への対応が不十分であるとして、米国の長期発行体格付けを「AAA」から「AA+」に一段階引き下げた。このショックは世界の株式市場を襲い、市場によっては、20%近く下落した。
このときは、円高ドル安がすすみ、東日本大震災後の日本にとって、デフレ要因となる円高対策が大きな課題となった。


米上院は共和党と民主党がそれぞれ議席50で拮抗しているが、ハリス副大統領が議長を兼務しているため民主党が事実上(薄氷)の多数党といわれる。

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