時代遅れの新聞読みブログ

前期高齢者が新聞(紙、電子)・ネットのニュースをフォローします。

韓国最高裁 徴用工賠償認める判決 佐渡金山の世界遺産登録に影響か

YOU TUBE BSN news 世界遺産登録に向けて…佐渡金山の価値とは - YouTube
+++++++
韓国最高裁判所は先に、三菱重工業などが戦時下のいわゆる徴用工労働について賠償責任を負うことを認める判決を出したが、筆者はこの判決は来年のイコモスの決定=文化遺産登録の成否にも影響すると考える。
(本ブログで以前に書いた、佐渡金山が世界文化遺産登録なるかどうかについての記事がなぜか人気記事の上位に浮上している。そのためか?)
再度、「佐渡金山」の世界遺産登録についての問題点をアップする。


佐渡金山の文化遺産登録について、韓国は、第二次大戦中に佐渡金山で徴用されていた朝鮮人労働者のことが触れられていないとして、資料にその事実を加えるように求めていた。


一方、日本政府は佐渡金山の世界遺産としての申請対象は、「江戸時代まで」に限定しており、「韓国は当事者ではない」と突っぱねていた。(「安倍晋三元首相は意味不明だが、歴史戦といっていた)


第2次世界大戦前から戦時中、戦後、閉山にいたるまで佐渡鉱山を経営していたのは、三菱財閥系列の三菱系企業の三菱鉱業だった。日本の近現代史を代表する、旧財閥系企業であることはいうまでもない。


日本政府は説明に努めると思うが、いまだに日韓で戦時中の徴用工補償の問題が片ついていない印象を、審査委員に与えることはマイナスになるだろう。


日中戦争が始まったのに伴い、1939年から、大日本帝国政府が朝鮮半島から労働者の「動員」を始め、佐渡鉱山でも働いていたことは、記録に残っている。


当時の記録を調べて書いた論文は、「佐渡鉱業所は1940年2月から1942年3月までに、6次に渡って総数1005名の朝鮮人労働者を「募集」で集めた」と書いている。それ以降、1944年まで「動員」している。
(佐渡鉱山と朝鮮人労働者1939~1945 広瀬貞三氏 新潟国際情報大学情報文化学部紀要)


上記論文によると、この間に死亡者10人、逃走148人との記録がある。四周を海に囲まれた佐渡ヶ島からどこへ逃走したのだろうか。労働環境は過酷なものだったと思われる。
+++++


佐渡金山は江戸時代に幕府直轄で本格的に採掘された。過酷な採掘作業にあたっていたのは佐渡に流刑となった囚人であった。
当時としては高水準の坑道掘削技術で人力の排水ポンプなども駆使していた。佐渡は経済的にも栄え、本州から人、文物が佐渡に入り、独自の文化を育んだ。掘り出した金は大判小判として流通し、江戸幕府の財源だった。


++++++
2015年に世界遺産に登録された、端島(通称・軍艦島)を含んだ「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」でも、韓国から「端島(や当時の炭鉱)で戦時下に朝鮮半島出身者の強制労働があった」として反対された。


このときは、朝鮮半島からの労働者について説明をつけることで、遺産登録にこぎ着けたが、昨年ユネスコの委員会は説明が不十分との決議をつけている。


地元佐渡市の「佐渡相川の鉱山都市景観 保存調査報告書」にも、戦時中の佐渡金山の朝鮮人労働者は、約千人に上るとしている。新潟県や佐渡市が観光資源としての旧金山にしか目を向けていないのは、残念なことである。

×

非ログインユーザーとして返信する