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東証市場再編に「道半ば」「大きな変化なし」ときびしい指摘 東証1部銘柄84%が最上位「プライム」に移行


東京証券取引所(東証)は11日、今年4月に5つの証券市場を3つに再編する計画に伴い、現在上場基準の最上位にある東証1部の2185社のうち84%にあたる1841社が、再編後の最上位の市場「プライム」に移ると公表した。


12日付日経新聞によると、「プライム」移行予定の1社あたり株式時価総額(中央値)は599億円で、現東証一部の446億円を約30%上回っているが、ニューヨーク市場の3260億円、ロンドン市場の1948億円に比べて大きく見劣りしている。


新聞各紙の記事は、「大きな変化がない再編」、「東証改革はなお道半ば」「(プライムが)海外投資家に魅力ある市場とはいえない」などきびしい評価、論調が目立つ。


東証は現在、1部、2部、マザーズ、ジャスダックの4市場がある。これを上位の国際的に事業を展開する企業を中心とする「プライム」、中位の国内事業中心の企業「スタンダード」、新興(成長期待)企業の「グロース」の3市場に再編する。


プライム移行が8割以上になったのは、プライム市場は上場基準の要件のひとつに、流通株式の時価総額100億円以としているが、経過措置をもうけて基準未達でもプライムへの移行を認めたことが大きい。この経過措置を使ってプライムに移行した企業は約300社あった。(ただし、達成に向けた計画書を作成、開示する必要がある)


「東証一部上場」は企業の一種の「ブランド」になっていて、人材採用や社会的信用にプラスに働く。基準未達で東証一部から「スタンダード」になることを「格落ち」ととらえた企業が、近い将来は基準を満たすとして「プライム」移行を申請したことが大きな要因とされる。


経過措置は、ゆうちょ銀行が現状では、「プライム」の基準を満たしていないことに配慮した、との見方がある。同行株式の約9割は日本郵政が保有しており、時価総額とは別の「プライム」の要件である「市場での流通株式の比率で35%以上」を満たしていない。


問題は、この経過措置がいつまで続くかははっきりしないこと。山道東証社長は「各社の計画書を精査し、有識者に議論してもらって期限を決める」と話している。


最初から「忖度」なしで市場再編・移行を進めていれば、議論する必要もなく余計な時間と労力を省けたのではないか。


議論している間にも、欧米市場、そして中国市場の背中は遠ざかるだろう。



参考:12日付日本経済新聞、同朝日新聞、読売新聞電子版

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