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政府 輸入小麦価格を17%引き上げ 昨年に続き製品波及へ  ウクライナ深刻化で一段高も懸念


農林水産省は9日、4月~9月期の輸入小麦の製粉メーカーなどへの売り渡し価格について、前期(21年10月~22年3月)より17・3%引き上げ、主要5銘柄の平均で1トン当たり7万2530円にすると発表した。


引き上げは3期連続。小麦粉の価格に転嫁されると、小麦粉、パンや麺類など小麦粉製品の値上げを招くことになる。足もとではウクライナ情勢の深刻化で国際価格は上昇傾向にあり、この水準が続けば来期(22年10月~23年3月)の引き上げは避けられないだろう。


農水省の試算によると、今回の引き上げによる小売価格の値上げ幅は、家庭用薄力粉が1キロ当たり12・1円、食パンは1斤当たり2・6円。製粉会社の在庫が3ヶ月分程度あり、店頭に反映されるのは7月以降となる見通し。


小麦の年間国内流通量は570万トンで、その9割を輸入している。小麦は「国家貿易品目」として、政府が一括して海外(米国、カナダ、豪州)で買付・輸入している。


小麦の売り渡し価格(トンあたり)は、買付価格に海上運賃、港湾費用などのコストを加えたうえに、政府に差益が出るよう、上乗せ額(マークアップ)を足して決められている。(差益は国内小麦農家への補助金にあてられる。)


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今回の引き上げの主な要因は北米の不作で国際価格が高水準に推移しているためだが、ウクライナ情勢の深刻化の影響もある。


ロシア、ウクライナは世界有数の小麦輸出国で、ウクライナ南部の港湾からエジプトなど中東や北アフリカに輸出されている。(日本への輸出はない。)


ウクライナは国内の港湾での業務を全て停止した。黒海沿岸を航行中の貨物船がミサイル(と思われる)攻撃を受けたとの情報もある。


両国から海外への小麦輸出が滞れば、日本の輸入元である米国やカナダ、豪州産への需要が高まり、今後の買付価格にはね返るのは避けられないとみられる。


大豆、トウモロコシの国際価格も上昇しており、食用油などにはね返るだろう。また家畜用の飼料価格が上がり食肉、肉加工品への影響も出そうだ。


昨年10月の改定では、前期(21年4月期)比で19.0%の引き上げだった。


主な理由は、コロナ禍から回復した中国が北米での小麦買付量を急拡大させたことや、運送・港湾コストの上昇だった。

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