火星探査車 衛星フォボスの太陽面通過を撮影 半径11キロをくっきり捉える
(上はNASAホームページより。ジャガイモのような黒い影が火星の衛星フォボス)
NASAは火星探査車「パーサヴィアランス(Perseverance)」が今月2日、火星の衛星フォボスが太陽を横切る日食(eclipse)の映像を撮るのに成功したと発表した。
フォボスは2つある火星の衛星の1つ。半径は約11キロメートルほどで、地球の衛星=月の半径1,737キロメートルに比べるとかなり小さい。
表面にはいくつもの溝や、直径約9キロメートルのクレーターがある。NASAのブログは、科学者たちは衛星の軌道や、重力による火星の表面への影響などの知見を得ることができると説明している。
映像を撮影したのはパーサヴィアランスのMastcam-Zカメラで、これまでで最大倍率のズームと最も高フレームレートな火星の太陽面通過の映像だという。
参考 下記のNASA Mars Exploration (動画も見られます)
Perseverance Rover Sees Solar Eclipse on Mars – NASA Mars Exploration
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火星のもうひとつの衛星デイモスは半径約6.3キロでフォボスより小さい。いずれも火星をまわる軌道が太陽面を横切るときに「食」が起きるが、小さいので月のような皆既月食は起きない。
フォボスは将来のある時点で、火星との間に働く潮汐力によって破壊されるという。