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インフレ下の「最低賃金審」始まる 自民のぞく各党 参院選で引きあげ主張

参院選挙で物価高対策が問われる中、賃金水準に影響する、厚生労働省の中央最低賃金審議会の議論が28日、始まった。
電気ガス代や食料費の上昇で、4月、5月の消費者物価は2%超あがった。パートや期間雇用など、非正規労働者の割合が増えており、最低賃金の「存在感」は年々高まっている。


(首都圏のコンビニ店を例にとると、経験なしの場合、時給は最低賃金プラス10円程度でスタートするのが相場のようだ)


最賃審は公益(学者・有識者)、労働者、使用者それぞれの代表者から構成される。夏に47都道府県を4グループに分けて、経済状況に応じてグループごとの引き上げの目安を示す。


それを受けて、都道府県の最賃審が引き上げ額を決める。


最賃は地域で大きな違いがあり、もっとも高い東京都で1041円、低いのは沖縄県、高知県の820円など。


最低賃金の目安となるのは一般的な賃金水準、企業の支払い能力、これに物価上昇が加わる。インフレは実質賃金を目減りさせるからだ。


最低賃金は中小、零細企業にも適用されるため、労働者側が引き上げを主張し、使用者側が「支払い能力がない」と反対、「公益」委員が「中をとっておさめる」というのが通常のパターンである。


2015年に安倍晋三元首相がデフレ脱却をめざして「年3%」の引き上げをめざすと表明して以降は、首相の「影響力」が強まった。2016~19年の時給額の全国加重平均は、年3%に相当する25円以上の幅での引き上げが続いた。


2020年はコロナ禍が拡大し、政府も「雇用を守ることを最優先にする」と表明せざるを得なかった。中央の最賃審議会も「現行水準の維持が適当」と目安を示さず、全国(加重)平均の引き上げ幅は1円にとどまった。


昨年は、菅義偉首相(当時)が審議会の議論に先立って、コロナ禍前と同水準の引き上げを求め、「早期に全国平均1000円をめざす」と表明した。


中央最低審議会も加重平均28円以上の引き上げを全国一律で提示し、時給は全国加重平均で28円(3.1%増)の930円になった。


決定に際して、日本商工会議所などは、地方、中小の観光・宿泊関連や飲食業が新型コロナ禍による客の減少で打撃を受けており、大幅な賃上げには耐えられないと反対した。
長く続いた「三者合意」による決定が崩れた経緯がある。


ことしは、インフレ率が2%超となっていることもあり、3%程度の賃上げは必要と思われる。


岸田首相は「引き上げ額については最低賃金審議会でしっかり議論して欲しい」との姿勢で、少なくとも菅氏のときのような発言は控えている。


自民党の参院選挙公約には最低賃金についての言及がない。自民党の地方基盤は地元の商工業者、土木・建設なので、不思議なことではない。

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