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中国 公認トンデモ「処理水」画像が日本不信 煽る 根にある台湾問題 半導体規制 対立は長期化

2021年4月に中国のSNSで出回った福島原発処理水の拡散シミュレーション画像。香港大学ジャーナリズム研究センターのファクトチェックサイトANNIE.LABでFAULSE(誤り)と判定された。関心の有る方は https://annielab.org/ で御覧ください。(サイトでFUKUSHIMAを検索すれば見つかります。)
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中国政府は、日本政府が2021年4月に福島第一原発の「処理水」の海洋放出計画を発表した前後から、「処理水」を「汚染水」と呼び、高濃度の放射性物質を含んだ海水が中国沿岸にまで押し寄せるイメージを国民に与えてきた。


それに一役も二役もかったのが、上に掲出した、汚染水拡散のシュミレーション画像だ。これは、もっともらしいが後述するようにトンデモ・シュミレーションである。ただ、ネットの情報統制を敷いている中国では、この逆宣伝が市民レベルまで浸透していることを留意する必要がある。(日本でも信じている人がいるようだ)


そのひとつの表れは、「処理水」の放出をはじめた24日以降、中国から東京電力をはじめ日本の官公署、個人営業の店にまで、中国発信とみられる数千本の「抗議」電話による嫌がらせ=関係のない個人店は営業妨害そのものだ=が起きたことだ。(まだ続いているかもしれない)


中国外務省は把握していないと言っているが、組織的な動員があるにせよ、それに応じた多数の人がいたことは、「逆宣伝」の効果があったものといえる。


中国政府が日本側の説明に聴く耳を持たず、日本が汚染水を太平洋に放出していると、声高に言い続けるのはなぜか。


筆者なりに、中国が強硬姿勢をとる理由を順にあげる。


① 台湾を巡る米中の緊張が強まり、日本は沖縄、南西諸島で防衛力の増強に動いている。これを牽制することを第一の理由に置く。


②日本は米国の要請に応じて、先端半導体製造装置、材料の中国向け輸出規制を始めた。これに対抗する意味もある。半導体の仇(かたき)をサカナで取るということだ。


③中国の主張は、処理水放出に反対する韓国野党とほぼ同じだ。韓国の野党や野党系市民団体を動かして、韓国政府を揺さぶり、米日韓の軍事連携強化にくさびを打ち込む意図がある。


つまり、中国政府は処理水放出を「外交カード」として使っているのだ。何らかの情勢変化があって、中国政府が「沈静」を企図しない限り、「嫌がらせ」がエスカレートすることを覚悟する必要がある。


野村哲郎農水相は「中国が日本の水産物を全面的に輸出禁止にするとは想定外だった。」と述べたそうだが、緊張感のないこと甚だしい。岸田首相はもう少しマシだと思うが、どうだろうか。もし、中国の全面的な輸入禁止を想定して、準備をしていなかったとすれば、これからの対応に不安が残る。


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中国清華大学の研究者が公表した、拡散シュミレーション画像は日本語サイトでも閲覧数が多い。だめな点をあげると、最初のデータ、肝心な「処理水」がどのくらいの濃度のトリチウムを含むかが示されていないことだ。これでは影響が評価できない。
プログラムに致命的な誤りがあると思われる。シミュレーションは、放出2000日後に「トリチウム汚染水」は、福島から約9000キロ離れた米国西海岸のサンディエゴに達する。それはいいとして、2500日以降はサンディエゴのトリチウム濃度が、3500キロ離れた上海の濃度を上回るのだ。
遠くになるほど、トリチウムは拡散、希釈されて濃度は低くなるはずだが、不思議な予測と言わざるをえない。
清華大の研究チームが日本の放射能汚染水海洋放出の全過程をシミュレーション 240日で中国到達か(CGTN Japanese) - Yahoo!ニュース

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