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どこが新しい!?「賃上げ減税」 安倍政権以来10年続けて効果不明 それでも検証なし

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新しい資本主義実現会議 減税措置を議論(2023年9月28日) - YouTube
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岸田文雄首相が経済政策として打ち出した、「年収の壁」の解消が、本来、経済政策と関係がないことは前のブログで述べた。同じくらいわからないのが、岸田首相が27日の「新しい資本主義」の実現会議で、重点事項として掲げた「賃上げ税制の減税措置の強化」だ。


元々は安倍晋三首相のときに、アベノミクスの重点項目として2013年度に始めた制度で、企業が賃金(総額)を増やした場合、法人税から一定の額をさし引く「減税」策だ。


10年近く続いているが、実際に適用を受けた企業が何社あって、賃金がどの程度上がったのかという検証は行われていない。(財務省・国税庁は把握していると思われる。主管は経産省。公表していないだけかもしれない)


効果不明な制度をなぜ続けるのか。岸田首相はそれを「新しい資本主義」というのだからおそれいる。


この制度の疑問点は、日本の企業の6割は「赤字」で法人税を払っていないことに目をつぶっていることである。(赤字は中小企業に多い。岸田首相は中小企業に重点を置くと言っているが、赤字企業が法人税を払えるようにするのが先だろう。)
残る黒字の4割を対象としても、企業全体ではならされて効果は検出不能かもしれない。
日本企業の6割が法人税ゼロの現実 「ゾンビ企業」対「赤字企業」 - ITmedia ビジネスオンライン


同様の制度は大企業にも適用される。(条件は違って複雑になる。)大企業の法人税の実効税率が国際的にも低くなった現在、黒字を出している大企業を、賃上げしたからと言って減税するのが妥当とは思えない。


話が前後して申し訳ないが、中小企業を対象にした、同制度を説明する。雇用者全体の給与総額が前年度より1.5%以上増えた場合、給与増加額の15%を法人税から控除できる。2.5%以上増やせば控除は30%に増える。


基本的には黒字企業を前提にしている。赤字企業が従業員の給与を増やして、赤字をさらに膨らませるとは考えられない。


岸田首相が安倍晋三氏のやってきた経済政策をなんの吟味もせずに、継承するだけでは、いずれ失敗におわるだろう。10年前の政策がいまの時代に対応できないからだ。


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このブログは朝日新聞28日付け記事や野村総研・木内登英氏のリポートを参考にしました。
賃上げ減税、強化へ 「新しい資本主義」重点事項:朝日新聞デジタル

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