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ドイツ 原発再稼働に動くか ロシアのガス送出停止のおそれ 世論も「容認」高まる

(YOU TUBE Why Germany is Ending Nuclear Power より
    Why Germany is Ending Nuclear Power - YouTube   )
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ドイツが今年中に停止の予定だった原子力発電所の再稼働するかどうか注目されている。ロイター通信(電子版、2日)によると、独新聞ハンデルスブラットが、ドイツ政府が国内原子炉3基の稼働を延長すべきかの判断材料として行っているストレステストで、2基の稼働を延長すべきとの暫定結果が出たと報じた。


ロシアのウクライナ侵攻後、ロシアは欧州諸国の経済制裁に対抗してドイツにパイプライン経由で送っている天然ガスを、一方的に削減した。(日本時間9月3日の時点では、ガス送出は止まっている。)ドイツは深刻な天然ガス(電力)不足に見舞われ、ガス・電力価格は高騰した。


ドイツはメルケル前首相が政権にあった時代に、福島第1原発の事故を機に、原子力発電の段階的中止を決定、稼動中の3基の原発も年末までに停止の予定だった。天然ガスのロシアへの依存度を高めてきたが、ロシアのウクライナ侵攻でそれが裏目に出た。


ウクライナ戦争は長期化し、ロシアからのガス輸入が途絶する可能性もでてきたことから、ドイツ国内では、冬期には原発再稼働が必要という声が、経済界だけでなく国民の間からも強まっていた。


ドイツ政府の「ストレステスト」は、原発停止(稼動)が電力供給に与える影響などを調査するもの。(日本の場合は、地震などで原発事故が起きたときの耐久性を調べる。)


ドイツの総発電電力に占める原発の割合は6%程度で、日本とほぼ同程度だ。ドイツは3月にも同様の調査を行ったが、原発稼動延期がエネルギー確保にもたらす効果は限定的だとして、計画通り年内に原発を停止することにしていた。


ドイツは北海道より高緯度にあり、冬はところによって、気温がマイナス10度から20度に下がる。住宅では地下にボイラーを備え、終日、暖房装置を動かすのが一般的だという。(暖房を切ると住宅全体が冷え切ってしまい、温め直すのはかえって効率が悪い。)


原発再稼働によって、発電につかう天然ガスを減らし、その分、暖房用途などに回そうというわけだ。


連立与党の自由民主党(FDP)は稼働延長を主張している。ドイツで脱原発を主導してきた政権与党「緑の党」が、原発再稼働を認めるかどうかが注目される。

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