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東電 柏崎刈羽稼動が「福島」賠償の前提 原発60年超運転の裏事情 休止長い原発を救済

YOU TUBE TBS NEWS DIG 原発“60年超”運転延長法が参議院で可決・成立 福島原発事故以来の政策転換|TBS NEWS DIG - YouTube

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電気事業法や原子炉等規制法などの一部を改正する法律が成立し、現在の法律で最長60年となっている原発の運転期間について、安全上、問題がないと原子力規制委が判断した場合、実質的に60年を超えて運転できるようになる。


運転期間のうち、審査などで運転休止の期間はのぞく。岸田文雄首相のグリーントランスフォーメーション(GX)計画のひとつだが、見方を変えると、原発を抱える大手電力、なかでも休止が長引く東電・柏崎刈羽原発、北海道電力・泊原発、東北電力女川原発、中部電力浜岡原発などの再稼働支援といった方がいい。(GXでは原発の活用拡大をいっている。)


なかでも、福島原発事故で巨額の賠償を抱える、東京電力の場合、14年3月から休止中の柏崎刈羽原発を、再稼働して、30年超はもちろんのこと、できれば60年を超えて運転し、電気料を稼がないと、会社としてもたないのである。


東京電力が抱える、福島第一の廃炉処理事業や住民への賠償負担は、少なく見積もっても20兆円ほどにのぼる。(2019年の数字だからもっとふえているかもしれない)。電力会社の原発事故に備えた資金はほぼ使い切り、国が立替払いしているが、廃炉処理のメドはつかず、避難も長期化している。電気料金に上乗せしているのはみなさんご承知のとおりだ。


柏崎刈羽原子力発電所は1号機から7号機までの合計出力821万2千kWと日本最大である。1号機は1985年9月、7号機は1997年7月の運転開始だ。10年近い休止期間が除外され、運転期間が延長されることは、東京電力が賠償責任を果たすためには、間違いなく必須条件である。(こう書くと、原発反対派の方に叱られることは必須だが。)


原子力発電所の運転期間については、2011年3月の福島第一の事故までは(意外なことに)法律がなかった。翌2012年原子炉等規制法を改正し、原則40年とし、1回に限って20年までの延長を認めることとした。これで、最長60年になったわけだ。


今回の法改正で、運転開始から30年を区切りとし、10年を超えない期間ごとに機器や設備の劣化状況を確認して管理計画を策定し、規制委員会の運転認可を受ける。60年目で認可を得られたら、いまの上限60年超の運転もできる。


今回の法改正で、運転期間に関する規定は、経済産業省が所管する電気事業法へ移管される。改正が経済産業省・資源エネルギー庁主導ですすめられ、原子力規制委員会は脇役に回った感がある。


原子力規制委員の5人のうち、石渡明委員は「(改正案は)安全側への改変とは言えない」と述べて反対した。石渡明氏は地質学の専門家。ほかの4人のうち3人は原子力工学、ひとりは放射線医学だ。


柏崎刈羽原発の話に戻れば、東京電力は福島第一の事故後、大きな防潮堤を建設し、緊急時冷却用の容量2万トンという貯水池も造成した。新規制に対応するため、免震重要施設の整備、テロ対策のための警備施設などなど、大きな設備投資を行ってきた。


福島事故関連の賠償の話は置くとして、この投資を回収するためにも、規制委の審査に通過しなければならない。規制委はどういう判断を下すだろう。


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原子力発電所の耐久年数が問題にされるのは、心臓部の原子炉が高速中性子などの放射線をあびて脆弱化するからだ。その安全性は、あらかじめ原子炉圧力容器内に種々の材料試験片を入れておき、定期的に炉外に取り出して、どの程度弱くなっているかの試験を行う。


ただ、そういう脆弱性検査は炉心だけでいいのかという指摘がある。たとえば、高圧力がかかる配管部や、制御計測機器につながる電線の劣化、経年劣化が避けられないコンクリート構造なども経年劣化がある。


通常の火力発電所でも耐久年数30年で設計されているという。30年を過ぎた原子力発電所は原子炉以外は新品になっていないとおかしいのだが、どうなのだろうか。







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