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「増税メガネ」と「インボイス」導入の関係 54万署名無視に怒りの「悪口」か

YOU TUBE ANN NEWS 所得税減税は? 臨時国会開幕 増税メガネに「少し過剰反応」(2023年10月20日) - YouTube
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岸田文雄首相が生煮えの状態で「減税」を言い出したのは、ネット上で広まった「増税メガネ」という悪口に我慢ならなかったせいのようだ。テレビや全国紙でも、そのアダ名を岸田氏が気にして、「減税」を言いはじめたと指摘するニュースをみるようになった。


筆者は少し前まで、迂闊なことに岸田首相がいま増税を言っているわけでもないのに、なぜこんなアダ名がついたのか分からなかった。(2022年末に防衛大増税を閣議決定している。増税メガネと言う人たちも、それを今になって批判しはじめたわけではない。)


ネット上で「増税メガネ」を検索してみると、この言葉をつかった記事(ブログ、SNS)が急上昇し始めたのは9月半ばから10月に入ってからだった。この間に何があったかとふりかえり、消費税に関連して10月1日から「インボイス制度」が始まったのにハタと気づいた。


制度をごく簡単に説明すると、これまで、課税売上高が1000万円以下の事業者は「免税事業者」として、消費税を納めなくてもよかったが、10月1日からは原則として申告・納税しなければならない。


免税事業者のままでいることも可能だが、取引先に承諾してもらう必要がある。反対団体は取引先との力関係で、「課税業者にならざるをえない」と言っている。取引先が免税業者の分まで消費税を払うことになるからだ。


これまでは「免税事業者」だったフリーランスや個人事業主が、課税事業者になると実質増税となるため、これに反対する団体が、9月29日、インターネットで集めた54万筆超の反対署名を、衆院議員会館で岸田文雄首相の秘書に提出した。
(団体側は官邸に届けに行ったが拒否されたと言っている。一方、官房長官はそのような事実はないと食い違いをみせている。)


抗議活動にゼロ回答だった(というより無視された)ことに怒った54万人のうち1%(それでも5000人もいる)の人が、SNSで岸田首相をこのアダ名で呼んで、不満をぶつけたとしたら・・・。あっという間にアダ名が広まったことも不思議ではない。


岸田首相はといえば、インボイス制度の導入が、不愉快な「アダ名」につながったこと(可能性)に気づいていないようだ。岸田首相がサラリーマンを念頭に置いた「所得税減税」でコトを収めようとしているのはその表れだ。


インボイス制度の導入による増税分は、税負担が増える、フリーランスや小規模事業者に「給付・還元」してもいいのではないか。インボイス制度の導入でどの程度の税収増が見込まれるのか、手の内を伏せたまま、コトを進めようとするやり方が問題なのである。

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