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日本GDP独に抜かれ4位 人口1.4倍も 賃金が7掛けでは時間の問題だった 政府に危機感なし

YOU TUBE 日テレNEWS【解説】ドイツに抜かれ…日本のGDP世界4位に さらに転落も? 課題は - YouTube
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2023年のドル建ての名目国内総生産(GDP)で、日本(4兆2,106億ドル)がドイツ(4兆2106億ドル)に抜かれ、世界4位に後退したことが話題になっている。


日本の人口1億2,100万人に対してドイツは8,500万人だ。日本はドイツの1.4倍以上の人口を擁するのに経済規模では、追い抜かれてしまった。


為替レートで日本が円安(ドル高)になっていることもあるが、基本的には日独の産業競争力、生産性の差が賃金の差につながっているため、再逆転は容易ではないだろう。


GDPは一国で一年間につくり出された付加価値の総額と定義される。付加価値(ADDED VALUE)は、企業(個人事業者でも)でいうと、原材料の仕入値と商品の売値の差になる。


付加価値で大きいのは労働者、サラリーマンの賃金である。その日独比較をしてみる。
(仕入れ代と労賃を払ったあとの、企業の利益は付加価値だ。経営者の報酬=所得も付加価値となる。)


ドイツのサラリーマンは年収で日本円にして600万円から700万円(約38,000ユーロ~44,000ユーロ)を得ているという。(AIに聞いたので正確に欠けるかもしれない。)


一方、日本は国税庁の調査によると、平均年収441万円となっている。(民間給与実態調査2020年版)


GDPが日独で同じの場合、人口比から計算した、1人あたりGDPは日本はドイツの7掛けになる。ドイツの平均賃金を真ん中をとって650万円とすると、その7掛けはだいたい450万円になって日本と並ぶ。まあまあ、うなずける額?になる。


残念だが、日本の稼ぐ力はドイツの7掛け程度にとどまっているようだ。(同じ時間働いているとすると、生産性が7割程度ということになる。もしかすると長時間働いても付加価値をつけられない)


日本、ドイツはともに第二次世界大戦の敗戦国である。産業基盤が灰燼に帰したところから、目覚ましい発展を遂げ、それぞれ「経済的奇跡」と言われた。


日本のGDPは1968年に西ドイツを追い抜いたが、当時のドイツが東西に分断されていたことを考えると、まだまだ西独の方が上だったといえる。


駆け足で説明すると、1989年にソビエト連邦が崩壊し、東西ドイツを分ける象徴だったベルリンの壁が壊され、1990年にドイツは統合された。(東独はソ連の側だった)


西ドイツの通貨「マルク」と、東ドイツの「東ドイツ・マルク」は(企業合併のように)、統合するが、実勢レート(10対1といわれた)より東ドイツに有利な交換比率(1対1から1対3程度)に設定したため、統一ドイツはその後、欧州の病人といわれるほどの経済不振に陥ってしまった。


東独の年金受給者は1対1の交換比率で、東独マルクより購買力のある西独マルクを受け取り、大きな恩恵を受けた。一方、東独の国営企業は西独企業に買収されたが、その費用は高くついた。


そんな次第で、日本のGDPは、統一ドイツを長く上回っていた。しかし、日本がバブル経済の崩壊で停滞する一方、ドイツは東西統一の「コスト」を払い終え、とうとう追い抜かれてしまった。


この間、1999年にはEUに単一通貨ユーロが導入された。ユーロ圏の貿易障壁がなくなり、自動車や産業機械などに強みを持つドイツにプラスに働いたことは大きい。2010年のギリシャ危機も乗り切り、英国のユーロ脱退もそれほどドイツ(ユーロ圏)にはマイナスではなかった。


林芳正官房長官はGDPがドル換算でドイツに抜かれたことについて「昨年を上回る賃上げに向けた取り組みを強力に後押しするとともに、給付金や定額減税で所得の伸びが物価上昇を上回る状況を確実につくり出し、消費の拡大につなげる」と述べた。


賃金は自然と上がるわけではない。産業の競争力強化について言及がないことは、まったく物足りないことだ。

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