時代遅れの新聞読みブログ

前期高齢者が新聞(紙、電子)・ネットのニュースをフォローします。

韓国 徴用工「肩代わり」賠償を発表 多数野党と世論動向が焦点


尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領。韓国議会(一院制)は野党=文在寅前大統領の与党=共に民主党が300議席中、170議席を占めている。(議会勢力図はウィキペディアより)国会 (大韓民国) - Wikipedia


+++++++++


日韓の懸案となっている、元徴用工(旧朝鮮半島出身労働者)への賠償問題について、韓国の朴振外相は6日、韓国大法院(最高裁)判決で確定した被告の日本企業の賠償を、韓国の財団が肩代わりする解決策を発表した。日本政府はこの解決策を評価する意向を示した。


しかし、韓国議会の6割近くの議席数を持つ多数野党の「共に民主党」には、この解決策を拒否し、日本企業に謝罪と賠償を求める団体を結成する動きもある。一部の元徴用工は受け入れを拒否している。


尹錫悦韓国大統領の支持率は40%台を維持しているが、不支持率は50%代前半で支持率を上回っている。野党や支持団体の動向によっては徴用工問題の解決にはなお時間がかかるだろう。


読売新聞電子版によると、韓国行政安全省の傘下の「日帝強制動員被害者支援財団」が、遅延利子を含む賠償金相当額を、大法院が日本企業(日本製鉄と三菱重工業)による賠償を命じた原告側に支払う。それ以外の訴訟中の原告側にも、勝訴判決が出た場合と同等額を支払うことになるという。


大審院判決が確定したのは2018年10月。そのあとの2019年7月、当時の安倍晋三政権は、韓国に輸出する半導体製造材料「フッ化水素」について、他国に転売される可能性があるとして、輸出手続きを簡略化する「ホワイトリスト」国から除外した。


韓国世論は日本が「逆ギレ」したとして猛反発し、文在寅政権はWTO(世界貿易機関)にホワイトリスト除外は不当だとして提訴したが、この措置についても両国間で規制解除、提訴取り下げに向けて協議をはじめるとみられる。


報道によると、韓国側の発表を受けて日本政府は、95年の「村山談話」や98年の小渕恵三首相―金大中(キムデジュン)大統領による日韓共同宣言、2015年のいわゆる慰安婦問題合意の際の「安倍談話」などを踏まえ、岸田文雄首相が「反省とおわび」の継承を表明する方向だ。


 日本政府は「徴用工問題」への賠償問題は、1965年の日韓請求権・経済協力協定(無償3億ドル,有償2億ドルの経済協力)によって最終的に解決済みとの立場を一貫してとってきた。賠償請求された日本企業も政府に同調している。


読売新聞によると、元徴用工への支援資金は韓国企業からの拠出で賄い、被告の日本企業の資金拠出は前提としていないという。


ブルームバーグ通信は、韓国・聯合ニュースを引用する形で、韓国の経済団体、全国経済人連合会(全経連)と日本の経団連が日韓の若者の交流拡大に向けた共同基金を新たに設立することで合意したことを伝えた。「未来青年基金」の仮称で、日韓間の留学生の奨学金などにあてるという。


韓国聯合ニュース(2月16日電子版)によると、韓国側基金による解決案に反対し、日本企業の直接賠償を求める韓国の国会議員の会の発足式が2月16日に開かれ、最大野党「共に民主党」や無所属の議員ら51人が参加した、という。


記事によると、「共に民主党」の朴洪根(パク・ホングン)院内代表は、「尹政権は基金を募り徴用被害者に補償金を支払う案を既成事実化した」として、「日本の戦犯企業が支払うべき賠償金を韓国の企業が肩代わりすることは解決策ではなく屈辱。謝罪も賠償もしない日本の債務について、なぜわれわれが責任を持たなければならないのか」と述べたという。


朝日新聞によると、基金による「賠償肩代わり」について一部の対象者は受け入れる方向だが、一部は企業による直接の謝罪と賠償を求めて拒否しているという。


+++++
1965年当時の為替レート(固定)は1ドル=360円で、無償援助の3億ドルは1000億円以上になる。(当時の一般会計予算規模は3兆6000億円程度だったので無償援助だけで予算の3%程度を占めた)日本政府は個人の賠償請求権はないとの立場だが、韓国国内では協定の締結後、国会で旧日本軍の軍人・軍属だった人や徴用工への個人賠償をめぐる議論が時に、起きている。文在寅大統領以前は、裁判になった例はあるが、個人賠償については却下または棄却されていた。

×

非ログインユーザーとして返信する